末梢肺がん病変に対する経気管支クライオアブレーション(Thorax. 2024)

論文のタイトル: Transbronchial cryoablation in peripheral lung parenchyma with a novel thin cryoprobe and initial clinical testing
著者: Chuanjia Gu, et al
出版年: 2024
ジャーナル: Thorax
PMID: 38242710

手術施行困難な末梢肺がん病変に対する経気管支クライオアブレーション治療の可能性が示されました。

概要
背景: 経気管支的凍結凝固術は、手術不能な末梢肺がんの局所療法としての潜在性を示している。しかし、末梢肺病変に対するその臨床応用はまだ報告されていない。

方法: 長さ8mm、幅1.9mmの凍結チップを備えた改良された凍結プローブが使用された。
初めに、この凍結プローブの安全性と有効性は、生体豚モデルで評価された。CTモニタリングの下、18匹の豚で2または3回の凍結解凍サイクル(各凍結時間は10分または15分)を行う経気管支的凍結凝固術が実施された。放射線学および病理学的検査が凍結凝固の範囲を評価するために実施された。
その後、航法気管支鏡およびコーンビームCTのガイダンスの下で、この凍結プローブを使用して、ステージIAの末梢肺がんまたは転移を持つ9人の患者が経気管支的凍結凝固術を受けた。技術的成功、安全性、および成果が評価された。

結果: 豚モデルで36回の凍結凝固術が実施され、重大な合併症は発生しなかった。凍結凝固の範囲は、凍結時間と凍結解凍サイクルの回数によって増加し、24時間でピークに達した後、徐々に減少した。病理学的結果は、24時間で大量の出血から4週間後には線維増殖と慢性炎症への変化を示した。治療後3か月の病理所見ではリンパ濾胞を伴うリンパ球浸潤を認めた。
臨床試験では、9つの腫瘍に対して10回の凍結凝固術が実施され、技術的成功率は100%であった。治療関連の軽度の合併症が1件発生した。9つの腫瘍のうち、7つが完全凝固を達成し、2つは不完全凝固とその後の6か月での局所進行を示した。

結論: 今回の経験から、経気管支的凍結凝固術は、非外科的な末梢ステージIA肺がんまたは肺転移に対する安全で実行可能な手順である可能性が示された。

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