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関節リウマチに伴う間質性肺炎:蜂巣肺
関節リウマチに伴う間質性肺炎の胸部CTパターンは、UIP(通常型間質性肺炎)パターンが多く、NSIP(非特異性間質性肺炎)パターンが続きますが、時に蜂巣肺を認めることがあります。 蜂巣肺は、もともと特発性肺線維症などで報告された所見で、まさにハ... -
過敏性肺炎:抗原曝露が原因で発症する間質性肺炎
間質性肺炎の一つに過敏性肺炎(hypersensitivity pneumonitis; HP)という疾患があります。 過敏性肺炎は、なんらかの抗原を繰り返し吸入することで免疫学的な反応により生じる間質性肺炎ですが、 抗原の種類 曝露状況 発症形式 は様々であり、さらに、... -
新型コロナ感染後の遷延する症状:他のウイルス感染との比較
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の遷延する症状(いわゆる後遺症)についての様々な研究が報告されています。しかし、これらの報告は感染者を対象とした横断的な研究が中心であり、COVID-19との因果関係は不明です。 そこで、アメリカの大手医療... -
extended MRC息切れスケール質問票
息切れの程度を示す指標には、修正MRC息切れスケール質問票が用いられています。 前回の記事で報告した研究では、COPD増悪で入院し非侵襲的人工呼吸器管理や挿管管理を要した患者に対し、NIVOスコアは院内死亡率を予測するよいスコアリングシステムである... -
NIVO score:COPDの院内死亡の予測スコアリングシステム
本日は間質性肺炎ではなく、慢性閉塞性肺疾患(COPD; chronic obstructive pulmonary disease)に関する報告です。 COPDとは、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患です。時に感染などにより増悪することが知ら... -
インターロイキン6が線維芽細胞の増生を惹起:特発性肺線維症(IPF)
現在新型コロナウイルス感染症で着目されているインターロイキン6(IL-6; interleukin-6)ですが、特発性肺線維症(IPF)の病態に関与している可能性が指摘されています。 2003年に報告された報告ですが、健常肺、特発性肺線維症(IPF)がインターロイキ... -
新型コロナウイルス感染後の持続する呼吸困難:メカニズム
新型コロナウイルス感染後の持続する症状(いわゆる後遺症)は様々ありますが、息切れを自覚することもあるようです。例えばイタリアからの報告では、発症60日時点で43%の方が呼吸困難を自覚されていました。 なぜこのような呼吸困難が持続するのか。 その... -
新型コロナ感染後、患者の家族の症状(スコットランド)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した患者の家族について、長期的な不安などの症状を調べた研究が報告されました。 McPeake J, et al. Long-term Outcomes Following Severe COVID-19 Infection: A Multicenter Cohort Study of Family Member ... -
間質性肺炎の新たな治療戦略:進行性に線維化が悪化するフェノタイプ
特発性肺線維症(IPF)は慢性的に進行する疾患であり、生存期間中央値は診断後2-5年で、治療薬には抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)が選択されます。 それでは、特発性肺線維症以外の間質性肺炎の経過はどうでしょうか。 間質性肺炎には、環境... -
進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)の頻度は?(国際アンケート調査)
様々な間質性肺炎で、ある一定の割合で線維化が悪化し、予後不良な経過をたどる一群が存在し、これらを進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD;progressive fibrosing interstitial lung disease)と呼ぶようになりました。 この一群の患者さんに対して...