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IPFの急性増悪か他の原因による急性呼吸不全かの鑑別は非常に重要である
特発性肺線維症の患者では、急性増悪を発症することが知られていますが、急性増悪に類似した病態として肺炎などに伴う急性呼吸不全があります。その両者の鑑別が大変重要であることを述べた研究が日本から報告されています。 Teramachi R, et al. Outcomes... -
急性増悪にも原因があるものと原因不明のものがある
急性増悪(AE, acute exacerbation)は、かつては原因不明とされていましたが、最近では感染や検査手技、外科的肺手術、薬剤などが誘因となることが知られています。 2016年にこれらをまとめた報告がなされ、 原因が不明なものをidiopathic AE 原因があ... -
トレプロスチニル吸入群の複数の疾患進行イベントの発生率はどの程度か
2021年に間質性肺炎に伴う肺高血圧症にはじめて有効性が確認された吸入トレプロスチニルの試験結果が報告されました。 今回その後の追加解析の結果がAm J Respir Crit Care Medに報告されています。 Nathan SD, et al. Efficacy of Inhaled Treprostinil o... -
KL-6と肺機能には負の相関(全身性強皮症)
日本から全身性強皮症の経過を7年追った研究が報告されました。 Utsunomiya A, et al. Clinical course of Japanese patients with early systemic sclerosis: A multicenter, prospective, observational study. Mod Rheumatol 2021;31:162–70. 目的 日... -
日本初のがん悪液質に対する薬剤:エドルミズ
日本初の「がん悪液質」に対する内服薬であるアナモレリン塩酸塩錠(商品名:エドルミズ)が発売されました。 非小細胞肺癌に伴うがん悪液質患者を対象にした臨床試験(ONO-7673-04試験)では、 LBM(除脂肪体重)の12週間の平均変化量は、 エドルミズ群... -
アザチオプリンの副作用、NUDT15遺伝子多型解析とは?
膠原病や血管炎の治療では、抗炎症治療としてステロイドや免疫抑制剤を使用することがありますが、その一つにアザチオプリン(AZA: Azathioprine、商品名:イムラン、アザニン)があります。 アザチオプリンはDNA合成阻害薬といわれています。体内で6-メル... -
肺腺癌の遺伝子異常の発現率(日本人)
今日は間質性肺炎、ではなく肺腺癌の遺伝子異常についての報告です。 Saito M, et al. Gene aberrations for precision medicine against lung adenocarcinoma. Cancer Sci 2016;107:713–20. 肺癌の中で最も頻度の高い組織型である肺腺癌は、EGFR遺伝子... -
KL-6と強皮症に伴う間質性肺炎の進行予測
強皮症に伴う間質性肺炎とKL-6の関係は極めて重要な臨床的な課題です。 Salazar GA, Kuwana M, et al. KL-6 But Not CCL-18 Is a Predictor of Early Progression in Systemic Sclerosis-related Interstitial Lung Disease. J Rheumatol 2018;45:1153–8. ... -
気管支鏡検査中の高流量鼻カニュラ酸素療法
気管支鏡検査中に高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)を用いることで、検査中の低酸素を予防することができる可能性が示されました。 Wang R, et al. Modified high-flow nasal cannula oxygen therapy versus conventional oxygen therapy in patients unde... -
ANCA関連血管炎の画像、病理の特徴は?(特発性肺線維症との比較)
間質性肺炎の検査ではANCAを測定しますが、その臨床的な意義についてはまだわかっていないことは多いです。このANCA陽性の間質性肺炎について、2016年に日本の単施設からの画像所見、病理所見の特徴が報告されました。 Hosoda et al. Clinical features of...