オフェブ投与後の体重減少と予後(Respir Investig. 2024)

論文のタイトル: Body weight loss is a simple and useful indicator of prognosis and predictive tolerability in the first year of nintedanib therapy in patients with interstitial lung disease
著者: Hideaki Yamakawa
出版年: 2024
ジャーナル: Respir Investig
PMID: 38663299

オフェブ投与後の体重減少は臨床でもとても重要な指標です。日本から体重減少の推移に着目した大変重要な研究結果が報告されました。

概要
ニンテダニブは一般的に安全で忍容性が高く、さまざまな間質性肺疾患(ILD)患者の予後を改善できる。ニンテダニブの副作用の適切な管理は、その長期的な継続使用を確保するために重要である。
体重減少は臨床で定期的に評価される副作用である。
研究目的:ニンテダニブ療法の最初の1年における体重変化が予後を示し、ILD患者の忍容性を予測できるかを明らかにすること。

245人の連続したILD患者を対象に、ニンテダニブ療法を行った。ベースライン体重と1年後に記録された体重を用いて体重変化のスロープを計算し、体重の百分率変化を分類。5%以上の体重減少を「有意な体重減少」と定義

67人の特発性肺線維症(IPF)患者と76人の非IPF進行性線維化ILD患者(線維性過敏性肺炎16人、分類不能35人、膠原病関連ILD21人、非特異性間質性肺炎4人)が対象。
高齢、初診時の低体重、有意な体重減少、%FVC低値はニンテダニブ中止の有意な予測因子であった。
1年で5%以上の体重減少を示した患者は、5%未満の体重減少の患者よりも生存率が低かった。これはIPFの有無やBMIの肥満度に関係なく当てはまった。

体重変化の慎重なモニタリングは、ニンテダニブ治療を受けるILD患者の長期使用と死亡リスクを予測するための有用な情報を示唆する可能性がある。適切な体重管理は、ニンテダニブ自体の副作用を防ぐために必要である。

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