non-IPF FILDで6分間歩行距離低下は予後不良因子(Respirology. 2024)

特発性肺線維症以外の間質性肺疾患において、1年後の6分間歩行試験で、歩行距離が前年より24m低下していると予後不良であることが示唆されました。

肺機能やCTだけでなく、経年的な6分間歩行距離の測定も重要です。

引用文献:Zanini U, et al. Use of 6-minute walk distance to predict lung transplant-free survival in fibrosing non-IPF interstitial lung diseases. Respirology 2024.

背景
■特発性肺線維症(IPF)以外の線維性間質性肺疾患(IPF以外のFILD)の進行を評価することは臨床的な課題である。
■肺機能低下のみでは、臨床的に意味のある疾患進行の検出に限界がある。
■ベースラインからの6分間歩行距離(6MWD)の経時的変化を、肺機能と同時に検討することが、生存率の予測と疾患の臨床的に重要な進行の識別に独立して寄与すると仮定した。

方法
■基本コホート(n = 105)と異なるセンターからの検証コホート(n = 138)。
■ベースラインおよび1年後の努力肺活量(FVC)、肺拡散能(DLCO)、および6MWDを解析した。
■主要エンドポイント:無肺移植の生存(TFS)とした。

結果
■両コホートでの平均追跡期間は3年だった。
■死亡と肺移植はそれぞれ29%と21%だった。
■FVC、DLCO、および6MWDの経時的変化の間に共線性や強い相関は観察されなかった。
■年齢、性別、BMIは有意ではなかったが、6MWDの減少≥24mは、FVCとDLCOの減少から独立して、両コホートでTFSを有意に予測し、高い感度と特異性を持っていた。
■FVCとDLCOの減少はTFSの有意な予測因子であったが、6MWDの減少はATS/ERS/JRS/ALAT基準よりも正確だった。
■ベースラインのFVCによって患者を層別化した後の結果もこれを検証できた。

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