non-IPF FILDで6分間歩行距離低下は予後不良因子(Respirology. 2024)

一言要約: 6分間歩行距離の経時的変化は、肺移植を必要としない生存率の独立した予測因子として、非特異的間質性肺疾患の進行を評価するのに有効であることを示した。

論文のタイトル: Use of 6-minute walk distance to predict lung transplant-free survival in fibrosing non-IPF interstitial lung diseases
著者: Umberto Zanini, et al
出版年: 2024
ジャーナル: Respirology
PMID: 38320863

1年後の6分間歩行試験で、歩行距離が前年より24m低下していると予後不良であることが示唆されました。

概要
特発性肺線維症(IPF)以外の線維性間質性肺疾患(IPF以外のFILD)の進行を特定することは、臨床上の継続的な課題である。肺機能低下のみでは、臨床的に意味のある進行の検出において限界がある。基準値からの6分間歩行距離(6MWD)の経時的変化を、肺機能の測定値と同時に考慮することが、生存率の予測と疾病の臨床的に重要な進行の識別に独立して寄与すると仮定した。
方法: 基本コホート(n = 105)と異なるセンターからの検証コホート(n = 138)で、基線および1年後の努力肺活量(FVC)、肺拡散能(DLCO)、および6MWDを考慮した。主要エンドポイントは、無肺移植生存(TFS)とした。
結果: 両コホートでの平均追跡期間は3年だった。死亡とLTxの合併症率はそれぞれ29%と21%だった。FVC、DLCO、および6MWDの経時的変化の間に共線性や強い相関は観察されなかった。
年齢、性別、BMIは有意ではなかったが、6MWDの減少≥24mは、FVCとDLCOの減少から独立して、発見コホートおよび検証コホートの両方でTFSを有意に予測し、高い感度と特異性を持っていた。FVCとDLCOの減少はTFSの有意な予測因子であったが、6MWDの減少はATS/ERS/JRS/ALATの基準よりも正確だった。基準のFVCによって患者を層別化した後の結果もこれを検証できた。
結論: 6MWDの経時的な減少は、重症度の広範囲にわたって、FILDの患者の予後不良に関連し、高い精度を示している。6MWDの経時的減少は、肺機能の低下から大きく独立しており、進行の定期的な評価に統合される可能性がある。

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