PPFE様所見は予後不良なサイン

肺の上方、いわゆる肺尖部に認めるPPFE様の所見がどのような臨床的な意味を持つのか検討した研究が2021年に報告されました。
Fujisawa T, et al. Radiological pleuroparenchymal fibroelastosis-like lesion in idiopathic interstitial pneumonias. Respir Res 2021;22:290.

PPFEとはPleuroparenchymal fbroelastosisの略語で、下図のように胸膜(肺の端)から白く伸びるような陰影(無気肺硬化像)を指します。

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(図. PPFE様の所見。文献より引用掲載)

本研究の対象である特発性間質性肺炎の419例のうち、PPFE様の所見を認めたのは24%でした。特発性肺線維症(IPF)では27%に認めています。

このPPFE様の所見は多変量解析でも有意な予後不良因子として報告されています。また特発性間質性肺炎、特発性肺線維症、分類不能型間質性肺炎でもPPFE様の所見がある群は予後不良な経過をたどるようです。

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(図. 上図が特発性肺線維症、下図が分類不能型間質性肺炎。赤線がPPFE様所見あり。青線がPPFE様所見なし。文献より引用掲載)

特発性間質性肺炎では、PPFE様所見は約4人に1人の割合で存在し、予後不良な所見であり、注意して観察する必要があります。

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