2016年、ACR(米国リウマチ学会)とEULAR(欧州リウマチ学会)の合同委員会により、シェーグレン症候群の新たな分類基準が報告されました。
シェーグレン症候群 2016ACR/EULAR分類基準
以下の項目の合計点が4点以上で一次性シェーグレン症候群と分類できます。
- 口唇唾液腺の巣状リンパ球性唾液腺炎でfocus score ≧ 1foci/4mm2 3点
- 抗SS-A/Ro抗体陽性 3点
- 少なくとも一方の目で角膜染色検査スコア ≧ 5点(あるいはローズベンガル試験 ≧ 4点) 1点
- 少なくとも一方の目でシルマー試験 ≦ 5mm/5分 1点
- 無刺激唾液分泌量 ≦ 0.1mL/分 1点
この分類基準を用いたvalidationのための集団の感度は96%(95%信頼区間 92-98%)、特異度は95%(95%信頼区間 92-97%)でした。

この分類基準を用いる際には、以下のinclusion criteriaを1つ以上満たし、exclusion criteriaに該当しない症例を対象とする前提がある点は注意が必要です。
<Inclusion criteria>
- 3 か月以上毎日持続し困っている眼乾燥症状
- 眼に砂や砂利が入ったような感じが反復して起こる
- 目薬を 1 日 3 回以上使用する
- 3 か月以上毎日口が乾いた感じがある
- 乾いた食べ物を飲み込むのに飲み物が必要になることがよくある、もしくはESSDAI質問票で 1 つ以上の領域が陽性でシェーグレン症候群が疑われる
<Exclusion criteria>
- 頭頸部の放射線治療の既往
- (PCR で確定した)活動性のC型肝炎
- AIDS
- サルコイドーシス
- アミロイドーシス
- 移植片対宿主病
- IgG4関連疾患