関節リウマチの気道病変(2012年)

関節リウマチの病因に気道病変は非常に重要な意味がありますが、これに関する大変重要な報告が2012年にArthritis Rheumに報告されています。
Demoruelle MK, Weisman MH, Simonian PL, Lynch DA, Sachs PB, Pedraza IF, et al. Brief report: airways abnormalities and rheumatoid arthritis-related autoantibodies in subjects without arthritis: early injury or initiating site of autoimmunity? Arthritis Rheum 2012;64:1756–61.

炎症性の気道病変が関節リウマチの発症に関連している可能性がある。

さらに詳しく解説(専門的な内容です)

方法

炎症性関節炎を持たず、抗CCP抗体および/または2種以上のリウマチ因子アイソタイプ(これらのプロファイルはRAに対して96%特異的)に陽性である42人の被験者、15人の自己抗体陰性の対照群、および血清学的所見陽性の早期RA(<1年間)を持つ12人の患者が、肺活量測定(スパイロメトリー)およびHRCTによる肺画像評価を受けた。

目的:炎症性関節炎を持たないが、関節リウマチ(RA)関連の自己抗体陽性である被験者における肺異常の存在を評価する。

結果

自己抗体陽性被験者の中央値年齢は54歳、52%が女性、38%が過去または現在の喫煙者で、これらの特性は自己抗体陰性の対照群と有意には異ならなかった。関節検査では、自己抗体陽性の被験者は炎症性関節炎を持っていなかった。

HRCTにより、自己抗体陽性被験者の76%が気道病変(気管支壁の肥厚、気管支拡張、小葉中心性陰性、エアトラッピング)を有していたのに対し、自己抗体陰性対照群は33%であった(P=0.005)。

自己抗体陽性被験者における肺異常の有病率と種類は、早期RAを持つ患者と類似していた。気道疾患を持つ2人の自己抗体陽性被験者で、肺評価から約13ヶ月後にRAと分類可能な炎症性関節炎を発症した。

結論

炎症に一致する気道病変は、炎症性関節炎を持たない自己抗体陽性被験者に一般的であり、早期RAを持つ患者で見られる気道病変と類似している。これらの所見は、肺が自己免疫関連の損傷の早期の部位であり、RA関連の自己免疫の生成部位としても機能している可能性があることを示唆している。肺炎症がRAの発症において果たす機構的な役割を明らかにするためには、さらなる研究が必要である。

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