IPFは軽症でも疾患進行する

特発性肺線維症では、軽症であっても病気が進行することが報告されています。ピルフェニドンの治験で用いられたデータを解析し、軽症の特発性肺線維症でも疾患進行を認めることが報告されました。

Albera C, Costabel U, Fagan EA, Glassberg MK, Gorina E, Lancaster L, et al. Efficacy of pirfenidone in patients with idiopathic pulmonary fibrosis with more preserved lung function. Eur Respir J 2016;48:843–51.

 

一言解説

特発性肺線維症では、軽症であっても病気が進行する可能性がある。

 

 

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さらに詳しく解説(専門的な内容です)

背景

このポストホック解析では、FVCまたはGAPスコア(性別、年齢、肺機能生理学)、ベースラインの肺機能状態がより保たれている患者とより保たれていない患者で層別し、特発性肺線維症(IPF)の疾患進行の違いとピルフェニドンの効果を検討した。

 

方法

FVC、6分間歩行距離(6MWD)、呼吸困難(University of California San Diego Shortness of Breath Questionnaire:UCSD SOBQ)を、第3相CAPACITY/ASCEND試験のプール集団(n=1247)においてpirfenidone 2403mg/dayまたはプラセボに割り付けられた患者の12ヵ月後の状態を分析し、サブグループをベースラインのFVC80%以上と<80%、GAP stage IとII-IIIにより層別化した。

 

結果

ベースラインの肺機能が保たれている患者(FVC80%以上またはGAPステージI)、保たれていない患者(FVC80%未満またはGAPステージII-III)ともに、FVC、6MWD、UCSD SOBQのカテゴリー別低下という観点から、12カ月目に臨床的に有意な疾患進行を示した。

(図. FVC、GAPステージ別の疾患進行の評価。文献より引用掲載)

 

<まとめ>

IPFではFVC≥80%の肺機能が保たれている患者やGAPステージⅠの早期群に分類される患者でも、疾患進行を認め、ピルフェニドンの有益性が明らかとなった。

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