筋炎ILDはMUC5B遺伝子多型の関与なし

筋炎に伴う間質性肺炎におけるMUC5B遺伝子多型の関与の有無を調べた研究が報告されましたが、筋炎に伴う間質性肺炎ではMUC5B遺伝子多型の関与はないという結果でした。

Johnson C, Rosen P, Lloyd T, Horton M, Christopher-Stine L, Oddis CV, et al. Exploration of the MUC5B promoter variant and ILD risk in patients with autoimmune myositis. Respir Med 2017;130:52–4.

 

一言解説

筋炎に伴う間質性肺炎ではMUC5B遺伝子多型の関与は示されていない。

 

 

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さらに詳しく解説(専門的な内容です)

背景

間質性肺疾患(ILD)は自己免疫性筋炎の患者によく見られるが、感受性を決定する因子は不明である。家族性および散発性の特発性肺線維症(IPF)は、MUC5Bのプロモーター領域の一塩基多型(rs35705950)と強い関連性があることが分かっている。

研究目的:MUC5B多型の発現と筋炎に伴うILDの関係を明らかにすること。

 

結果

ヨーロッパ系アメリカ人402名(特発性間質性肺炎(IIP)60名、筋炎に伴うILD208名、コントロール134名)を対象に、MUC5Bマイナーアレル頻度を調べた。

MUC5Bマイナーアレル頻度は、非筋炎性ILD、筋炎に伴うILD、コントロールでそれぞれ26%、8%、7%であった。MUC5Bの変異はIIPと関連していた(OR 4.10;p < 0.001)。

MUC5B多型は筋炎に伴うILDと有意な関連はなかった(OR 1.08; p = 0.80)

(図。文献より引用掲載)

 

 

<まとめ>

IIPコホートにおけるMUC5BのMUC5Bマイナーアレル頻度は、家族性および散発性IPFの被験者の頻度とほぼ同じであった。MUC5Bプロモーター変異は、筋炎患者におけるILDリスクに寄与していない可能性がある。

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