全身性強皮症に伴う間質性肺炎の病期分類(その2)

全身性強皮症に伴う間質性肺炎の病期分類には、limited diseaseextensive diseaseがあります。

この病期分類が報告された研究をさらに詳しくみてみますと、対象は215例の全身性強皮症に伴う間質性肺炎、患者背景は以下の通りです。

  • 平均年齢49歳
  • 男性:女性 = 41:174
  • 努力肺活量(FVC)の平均値は79%
  • 肺拡散能力(DLCO)の平均値は55%
  • 肺病変の広がりの中央値は13.5%
  • 蜂巣肺は全体の25%で存在

Goh NSL, et al. Interstitial lung disease in systemic sclerosis: a simple staging system. Am J Respir Crit Care Med 2008;177:1248–54.

このアルゴリズムの2つのカットオフは、胸部HRCTで病変の広がりが20%を超えるかどうか、努力肺活量(FVC)が70%を超えるかどうかですが、それぞれの群での生存曲線は有意に差があるようです。

これらを用いたアルゴリズムによりlimited diseaseとextensive diseaseに分類されます。5年生存率limited diseaseでおよそ85%extensive diseaseで60-70%のようです。

また今回、胸部HRCTで病変の広がりが20%を基準としていますが、これは目視で確認するには大変でとても曖昧な点も指摘されています。読影は、放射線科医2名、内科医2名、修練医(trainee)4名で読影していますが、1スライスを読影するのにおよそ1.49分かかったようです。さらに専門医間での一致率は良好でしたが(カッパ係数 0.64)でしたが、修練医間では一致率は低い結果(カッパ係数 0.41)でした。

この点に関しては注意が必要です。

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