間質性肺炎の合併症で特に重要なものに急性増悪がありますが、もう一つ気を付けるべき合併症に肺癌があります。米国から間質性肺炎の患者における肺癌の発生率や臨床的特徴をまとめた研究が報告されています。
背景
間質性肺炎の重要な合併症の一つに肺癌がある。特発性肺線維症(IPF)およびその他の間質性肺炎における肺癌の疫学的および臨床的特徴を、施設および州レベルのデータを用いて解析することを目的とした。
方法
間質性肺炎センターに登録された間質性肺炎の患者を対象に、米国のピッツバーグ大学の肺癌登録データと2000年から2015年の間にペンシルベニア州の保健局から得られた肺癌の人口データとを後方視的に比較した。
結果
全体では、1108人のIPF患者のうち31人、841人のIPF以外の間質性肺炎患者のうち16人で肺癌の合併を認めた。
間質性肺炎の診断から肺癌の発症までの期間中央値は、
- IPFで53か月
- IPF以外の間質性肺炎で55か月
であった。
また、肺癌の年齢調整標準発症率は、一般人口と比較して
- IPF群で3.3倍
- IPF以外の間質性肺炎群で2.3倍
であった(群間ハザード比=1.4、p=0.3)。
その他の結果としては、
- 肺癌はIPFの死亡率を増加
- 肺癌合併のIPFは、肺癌合併のIPF以外の間質性肺炎より有意に死亡率が高い(ハザード比=6.2)。
また、肺癌の発症部位は、IPFでは肺癌は下葉に多く(63% vs. IPF以外の間質性肺炎では下葉原発の割合は26%、p<0.001)、肺癌の種類では扁平上皮癌が多い傾向にあった(41% vs. IPF以外の間質性肺炎では29%、p=0.07)。
<まとめ>
米国のデータでは、肺癌発症率は一般人口に比較して、IPFでは約3.3倍、IPF以外の間質性肺炎では約2.3倍であった。間質性肺炎の診断から約4.5年ほどで肺癌の発症が多い。