抗MDA5抗体の認識部位の違いによる臨床所見の違い(Rheumatology (Oxford). 2023)

論文のタイトル: Correlation between B cell epitope profile and clinical features of anti-MDA5 antibody-positive dermatomyositis
著者: Koichi Yamaguchi, et al
出版年: 2023
ジャーナル: Rheumatology (Oxford)
PMID: 37815819

MDA5抗体の認識部位の違いによる臨床的特徴が明らかとなりました。

概要
anti-melanoma differentiation-associated gene 5(MDA5)抗体陽性(MDA5+)の皮膚筋炎(DM)患者はさまざまな臨床的特徴を示す。MDA5+ DMの臨床経過とB細胞エピトープ認識パターンが関連しているかどうかを調査した。
目的: この横断的研究では、重なり合う155アミノ酸のMDA5サブフラグメントの抗体認識と、24名のMDA5+筋炎患者の臨床的特徴との関係を、ELISAベースの方法を用いて明らかにした。臨床的特徴と標準化抗MDA5サブフラグメント抗体価との相関は、スピアマンの順位相関係数を用いて評価した。
結果: 24人のMDA5+患者は、初診から中央値0日(四分位範囲0-74日)以内に血清サンプルを採取した。通常の皮膚筋炎の発疹に加えて、これらの患者は筋症状(n = 11)、血管障害(n = 9)、間質性肺疾患(ILD)(n = 16)も認めた。女性は男性と比較してフラグメントH(aa 905-1026)を認識する抗体価が高かった。筋症状はフラグメントF(aa 646-801)抗体価高値と関連してた。一方、血管障害を有する患者は、血管障害のない患者よりもフラグメントB(aa 130-284)およびE(aa 517-671)抗体価が高かった。ILD進行による死亡が4例あり、他の20例と比較してフラグメントA(aa 1-155)抗体価が高かった。性別(H: anti-MDA5)および血管障害(抗フラグメントB、E: anti-MDA5)に関しては、抗フラグメント抗体と抗full length MDA5抗体価の比率に違いが見らた。
結論: MDA5+ DMのさまざまな臨床的特徴は、この自己抗原の選択されたサブフラグメントを標的とする抗体のレベルと相関し、フラグメント特異的免疫応答と疾患経過との関連性が示された。

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