TBLCで採取した膠原病ILDの病理組織パターンとリンパ球凝集(Histopathology. 2024)

膠原病に伴う間質性肺疾患の肺病理所見はあまりわかっていませんが、凍結肺生検(クライオバイオプシー)が登場してから低侵襲で肺組織を採取できるようになりました。今回はこの膠原病に伴う間質性肺疾患とIPF、過敏性肺炎の病理学的特徴を比較した研究結果が報告されました。

膠原病に伴う間質性肺疾患はNSIPやNSIP+OPパターンが多く、UIPパターンは少なかったようです。また、UIPパターンの各疾患ではリンパ球の凝集に差はなかったようです。

引用文献:Churg A, Poletti V, Ravaglia C, Matej R, Vasakova MK, Hornychova H, et al. Pathological features of connective tissue disease-associated interstitial lung disease in transbronchial cryobiopsies. Histopathology 2024.

背景
■間質性肺疾患(ILD)の診断に経気管支凍結生検が用いられることが多くなってきている。
■しかし、凍結肺生検における特定のILDの特徴に関する発表情報は不足している。
■目的:特発性肺線維症(IPF)、線維化性過敏性肺炎(FHP)、およびCTD-ILDの識別ガイドラインを提供すること。

方法
■集学的検討(MDD)によりCTD-ILDと診断された患者の凍結生検120例を検討
■MDDによりIPFまたはFHPの患者の生検121例と比較した。結果: NSIPパターンのみがCTD-ILDで30%、FHPで3.6%、IPFで5.2%認められ、CTD-ILDの診断に有意。NSIP + OPの組み合わせはCTD-ILDで24%、FHPで2.4%、IPFでは0%であり、CTD-ILDの診断に有意。UIPパターンはCTD-ILDで23%、FHPで54%、IPFで71%見られ、FHPまたはIPFの診断を支持。間質性巨細胞はFHPやCTD-ILDの診断に役立つが、頻度は低かった。

結果
■NSIPパターン:CTD-ILD120例中36例(30%)、FHP83例中3例(3.6%)、IPF38例中2例(5.2%)
■NSIP+OP:CTD-ILD120例中29例(24%)、FHP83例中2例(2.4%)、IPF38例中1例(0%)
→これらはCTD-ILDに多い。
■UIPパターン:CTD-ILD120例中28例(23%)、FHP83例中45例(54%)、IPF38例中27例(71%)
→FHPまたはIPFに多い。
リンパ球凝集塊/mm2および線維芽細胞病巣/mm2の数は、UIPパターンを有するIPF、CTD-ILD、FHP症例で差がなかった。
■間質性巨細胞はIPFよりもFHPまたはCTD-ILDの診断を支持したが、頻度は低かった。

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