過敏性肺炎とIPFの画像的な鑑別(Respir Investig. 2024)

過敏性肺炎と特発性肺線維症の鑑別は非常に難しいですが、画像的な特徴で両者を鑑別しうるスコアリングモデルが提唱されました。

①牽引性気管支拡張を伴うすりガラス影
②上肺葉の気管支血管側周囲の陰影
③肺野陰影のランダム分布

これら3つのCT特徴が過敏性肺炎と特発性肺線維症とを鑑別する重要な画像的特徴と報告されています。

引用文献:Sumikawa H, Komiya K, Egashira R, Tominaga J, Ueno M, Fukuda T, et al. Validation of a computed tomography diagnostic model for differentiating fibrotic hypersensitivity pneumonitis from idiopathic pulmonary fibrosis. Respir Investig 2024;62:798–803.

背景:
■線維化性過敏性肺炎(fHP)と特発性肺線維症(IPF)を区別することはしばしば困難である。
■CT所見を用いてfHPとIPFを区別する方法を検討し、放射線学的診断モデルを開発・検証することが目的とした。

方法
■2施設からの246人の患者(fHP=104人、IPF=142人)を含み、テスト群(n=164)と検証群(n=82)にランダムに分けた。
■3人の放射線科医がCT所見を評価し、fHPとIPFを二項ロジスティック回帰および多変量解析で比較。
■テスト群から予後モデルを開発し、検証群で検証。

結果
■牽引性気管支拡張を伴うすりガラス影、蜂巣肺、低吸収領域、three densityパターン、頭尾側分布、上肺野の気管支血管周囲の陰影、ランダム分布がfHPでより一般的に見られた。
■多変量解析では牽引性気管支拡張を伴うすりガラス影、上肺野の気管支血管周囲の陰影、ランダム分布が重要な特徴であった。
■3つのCT特徴を用いたfHP診断モデルの曲線下面積(AUC)は、テスト群で0.733(95%信頼区間[CI]、0.655-0.811、p < 0.001)、検証群で0.630(95% CI、0.504-0.755、p < 0.047)。

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