検診発見の特発性肺線維症の予後(2022日本)

最近では偶発的に肺の線維化が見つかる場合、ILAとして着目されるようになりました。

★ILAについてはこちらの記事もご覧ください

特に日本では検診発見の間質性肺炎も多く、今回はそこに着目した日本からの論文です。

Yamazaki R, Nishiyama O, Yoshikawa K, Tohda Y, Matsumoto H. Outcome of patients who were incidentally diagnosed with idiopathic pulmonary fibrosis: How early in the disease should we identify patients? Respir Med 2022;201:106933

 

一言解説

検診などで偶然に発見された特発性肺線維症の患者でも予後は不良である。

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へランキングに参加しています、クリックお願いします!

 

 

さらに詳しく解説(専門的な内容です)

背景

特発性肺線維症(IPF)は、呼吸器症状がほとんどない患者や症状が全くない患者で偶然に診断されることもある。そのような患者の臨床的特徴は不明である。

目的:偶発的に発見されたIPFの有病率、臨床経過、予後因子を明らかにすること。

 

方法

新規にIPFと診断された連続した患者のファイルをレトロスペクティブにレビューし、その診断方法と転帰を明らかにした。

 

結果

新規にIPFと診断された患者107名のうち、35名(32.7%)が偶発的に診断され、そのうち18名は毎年の健康診断で、17名は他の医学的問題で評価を受けていた。

診断時からの生存期間中央値は、偶発的に診断された35名では4.9年であり、偶発的に診断されなかった72名の生存期間中央値3.9年と同等であった。

BMIは、偶発的に診断された患者における生存の唯一の独立した予測因子であった(HR 0.78、95%CI 0.65-0.93、p=0.006)。

 

 

<まとめ>

IPF患者の3人に1人は偶発的に診断され、生存期間中央値は4.9年であった。偶発的に発見されたIPFであっても注意深く観察することが重要である。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!