過敏性肺炎と特発性肺線維症の鑑別は非常に難解ですが、CT所見の一つであるhexagonal patternが両者鑑別に有用であることが報告されました。
一言解説
過敏性肺炎と特発性肺線維症の鑑別には、胸部CTでhexagonal pattern
有無が重要である。
さらに詳しく解説(専門的な内容です)
背景
線維化性過敏性肺炎(fHP)に特徴的なHRCT所見として、小葉中心性結節、GGO、モザイク様陰影、エアトラッピング、tree-density patternが報告されている。しかし、fHPと特発性肺線維症(IPF)との鑑別は困難なことが多い。
fHPではHRCTで胸膜下病変から内層に及ぶtortoiseshell-like interlobular septal thickening(鼈甲状の小葉間隔壁肥厚)が見られることがある。
この所見はhexagonal patternと呼ばれ、この所見が線維性HPとIPFの鑑別に有用である可能性に着目した。
方法
本研究は、神奈川県立循環器呼吸器病センターにおいて2015年1月から2017年12月までに外科的肺生検を受けたfHPまたはIPFの集学的検討(MDD)診断の患者を対象とした。
2名の放射線科医が臨床・病理情報を伴わずにHRCT所見を評価した。
結果
MDDによりfHPと診断された患者は計23名、IPFと診断された患者は48名であった。
広範なGGO、小葉中心性結節、hexagonal patternは、IPFよりもfHPでより頻度の高い所見であった。
モザイク様陰影、エアトラッピング、three-density patternの有無については、両群間に有意差は認められなかった。
多変量ロジスティック回帰では広範なGGOとhexagonal patternの存在は、fHPのオッズ比の上昇と関連し、hexagonal patternが存在する場合のfHPの診断の感度と特異度は、それぞれ69.6%と87.5%であった。
<まとめ>
hexagonal patternは、fibrotic HPとIPFの鑑別に有用な所見である。