症状を改善、IPFに対するニンテダニブ

特発性肺線維症(IPF)に対するニンテダニブはFVCの低下を抑制することが報告されていますが、患者報告アウトカムであるCATやmMRCに関しても改善する可能性が示唆されました。

Takeda T, Takeuchi M, Saitoh M, Takeda S. Improvement in Patient-Reported Outcomes and Forced Vital Capacity during Nintedanib Treatment of Idiopathic Pulmonary Fibrosis. Tohoku J Exp Med 2018;245:107–14.

 

CATやmMRCに関してはこちらの記事もご覧ください。

 

一言解説

特発性肺線維症に対するニンテダニブは症状を改善する可能性がある。

 

 

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さらに詳しく解説(専門的な内容です)

背景

特発性肺線維症(IPF)は、進行性の難病であり、予後不良な疾患である。ニンテダニブはマルチキナーゼ阻害剤であり、IPFに対する有効性が第III相試験で実証された。しかし、ニンテダニブ治療中のFVCと患者報告アウトカムとの間に相違が存在する。

 

方法

IPF患者25名を対象に、ニンテダニブのFVCおよび患者報告アウトカムへの影響をレトロスペクティブに解析した。

患者報告アウトカムは、modified medical research council (mMRC) gradeとCOPD assessment test (CAT) scoreで評価した。mMRC grade、CAT score、FVCデータの変化は、ニンテダニブ導入6ヵ月前、導入時、導入後6ヵ月および12ヵ月に取得した。

 

結果

mMRC gradeは、投与前と投与後6ヶ月の間にのみ有意差が認められた(改善:p=0.0429)。

CATスコアについては、投与前6カ月とベースラインとの間で有意な悪化(p<0.001)、ベースラインと投与後6カ月または12カ月との間で有意な改善(p<0.001)がみられた。

(図. mMRCとCATの推移。文献より引用掲載)

全体として、6ヶ月の治療後にCATスコアが改善と判断したのは14名(56%)であった。この14名のうち、CATのみ改善が10名、CATとmMRCがともに改善と判断したのは4名であった。

*CATの改善:3点低下、mMRC改善:1点低下

 

 

<まとめ>

IPFに対するニンテダニブは患者報告アウトカムとしてCATやmMRCを改善する可能性がある。

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