リウマチ患者の間質性肺炎の発症リスク因子

関節リウマチの重要な合併症に間質性肺炎がありますが、今回関節リウマチの患者が間質性肺炎を合併しうるリスク因子が報告されました。

Kronzer VL, et al. Lifestyle and Clinical Risk Factors for Incident Rheumatoid Arthritis-associated Interstitial Lung Disease. J Rheumatol 2021;48:656–63.

 

一言解説

リウマチ患者の間質性肺炎発症のリスク因子として、肥満、CRP高値、身体機能不良、喫煙が報告された。

 

 

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さらに詳しく解説(専門的な内容です)

目的

関節リウマチ(RA)に関連する間質性肺疾患(ILD)のリスクに対する新規ライフスタイル要因の関連を明らかにし、喫煙がRA-ILDリスクを増加させる閾値を定義し、既知のライフスタイルおよび臨床要因がどの程度RA-ILDを予測するかを計算することである。

 

方法

このnested case-control studyは、年齢、性別、RA期間、リウマトイド因子、曝露評価からRA-ILDに至るまでの時間について、RA-ILD症例とRA非ILD対照をマッチングさせたものである。

曝露項目は、教育、BMI、喫煙、抗CCP抗体、人種、関節のびらん、リウマチ結節、CRP、疾患活動性スコア、機能状態、疾患修飾抗リウマチ薬使用、グルココルチコイド使用などである。

RA-ILDのリスクに関する各曝露のORは、ロジスティック回帰モデルで求めた。曲線下面積(AUC)は、すべての生活習慣および臨床的曝露に基づいて算出された。

 

結果

RA-ILD症例84例とマッチさせた対照者233例を同定した。

調整後、肥満、CRP高値(≧10mg/L)、およびmultidimensional Health Assessment Questionnaire(MDHAQ)≧1はRA-ILDのリスク増加と関連していた。

  • 肥満:OR 2.42, 95% CI 1.11-5.24 vs normal BMI
  • CRP高値:OR 2.61, 95% CI 1.21-5.64 vs CRP < 3 mg/L
  • MDHAQ≧1:OR 3.10, 95% CI 1.32-7.26 vs MDHAQ < 0.2

30 pack-year以上の喫煙は、非喫煙者と比較してRA-ILDのリスクと強く関連していた(OR 6.06, 95% CI 2.72-13.5 )。ライフスタイルとRA-ILDの臨床的危険因子を合わせたAUCは0.79(95%CI 0.73-0.85)であった。

 

 

<まとめ>

肥満、CRP高値、HDHAQ高値、喫煙は、RA-ILDのリスク評価と予防に有用な新規リスク因子である可能性がある。

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