関節リウマチに伴う間質性肺炎、急性増悪の発症リスク因子と予後についての検討

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関節リウマチに伴う間質性肺炎において、重要な合併症である急性増悪についてまとめた報告が本邦から2021年に報告されました。

Izuka S, et al. Acute exacerbation of rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease: clinical features and prognosis. Rheumatology 2021;60:2348–54.

目的

関節リウマチに伴う間質性肺炎は時に急性増悪を合併することがあります。本研究では、関節リウマチに伴う間質性肺炎の臨床的特徴や急性増悪の危険因子、死亡率について検討した。

方法

2007年1月から2019年12月の間に通院中の関節リウマチに伴う間質性肺炎の患者165例のデータを後方指的に収集した。

急性増悪の有無で臨床的特徴を比較し、急性増悪と有意に関連する変数を特定した。急性増悪で入院後、生存例と死亡例とで比較した。

結果

平均年齢は73.6歳(s.d.9.7)、97人(71.9%)が女性であった。30名(22.2%)が急性増悪を発症し、そのうち13名(43.3%)が死亡した。

単変量解析では、通常型間質性肺炎(UIP)パターンおよびメトトレキサート(MTX)は急性増悪の発症と関連は認めなかったが、多変量解析では、UIPパターンは急性増悪の発症と有意に関連していた[オッズ比(OR)2.55(95%CI 1.05,6.20),P=0.038]。

Cox比例ハザードモデルでは、UIPパターン[ハザード比(HR) 4.67(95% CI 1.02, 21.45), P = 0.048]は死亡と有意に関連し、MTX使用[HR 0.16(95% CI 0.04, 0.72), P = 0.016]は生存と有意に関連した。

<まとめ>

関節リウマチに伴う間質性肺炎において、UIPパターンは急性増悪の発症と関連し、さらにUIPパターンかつMTXの非使用は、急性増悪後の死亡と関連する可能性がある。

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