全身性強皮症(SSc: systemic sclerosis)の臓器病変のなかでも、間質性肺炎は頻度が高く、重要な合併症です。
では、全身性強皮症に伴う間質性肺炎(SSc-ILD)のCT所見は、どのような所見をとるのでしょうか。
胸部CTの所見
全身性強皮症に伴う間質性肺炎の画像所見に関して、2008年に重要な研究が報告されました。
この研究の対象は162例の全身性強皮症に伴う間質性肺炎。
画像所見では、全体の92.9%で線維化の所見を認め、すりガラス影は49.4%、蜂巣肺は37.2%で認めました。蜂巣肺の割合は、限局皮膚硬化型のほうがびまん皮膚硬化型に比較して有意に多かったようです。
胸部CTのパターン分類
全身性強皮症に伴う間質性肺炎(SSc-ILD)のCT所見は、特発性肺線維症(IPF)や非特異性間質性肺炎(NSIP)と比較してどのような所見をとるのでしょうか。
全身性強皮症に伴う間質性肺炎の胸部CTのパターン分類に関して、225例のを対象とした研究が2004年に報告されています。
線維化の粗さ(coarseness)の広がり
- 強皮症に伴う間質性肺疾患と非特異性間質性肺炎(NSIP)は類似
- しかし特発性肺線維症(IPF)とは大きく異なる
- すりガラス影も同様の結果
線維化の粗さやすりガラス影の割合
- 強皮症に伴う間質性肺疾患と非特異性間質性肺炎(NSIP)は類似
- 特発性肺線維症(IPF)とは大きく異なる
これらをまとめると、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の画像所見は、非特異性間質性肺炎(NSIP)と類似している結果でした。さらに、特発性肺線維症(IPF)より範囲が狭く、すりガラス影が少ない画像所見であったようです。
(最終アップデート:2022年2月25日)