強皮症に伴う間質性肺炎におけるMMFにRTXを追加投与することの有効性

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全身性強皮症に伴う間質性肺炎に対して、リツキシマブをどのように使用するかはまだ一定の見解を得ていません。今回、ミコフェノール酸モフェチルにリツキシマブを併用した結果が報告されました。

Narváez J, et al. Rituximab as a rescue treatment added on mycophenolate mofetil background therapy in progressive systemic sclerosis associated interstitial lung disease unresponsive to conventional immunosuppression. Semin Arthritis Rheum 2020;50:977–87.

 

 

目的

従来の免疫抑制剤の効果が乏しく進行性の経過をたどる全身性強皮症に伴う間質性肺炎において、ミコフェノール酸モフェチル(MMF、商品名:セルセプト)の追加治療としてリツキシマブ(RTX、商品名:リツキサン)の使用が有効かつ安全かどうかを検証すること。

 

 

方法

ステロイドや免疫抑制剤(シクロホスファミドやミコフェノール酸モフェチル)による治療にもかかわらず肺機能障害が残存し、リツキシマブによる治療(2コース以上投与)を開始した全身性強皮症に伴う間質性肺炎の患者コホートを後方視的に検討した。

 

 

結果

対象患者は24例。

全例でミコフェノール酸モフェチルを併用。ステロイドは96%の患者で併用。

リツキシマブ開始時の%FVC(努力肺活量)は71.7%%DLCO(肺拡散能力)は42.4%

リツキシマブ開始前の%FVCと%DLCOの過去2年間の減少量は、それぞれ-12.9%と-12.5%であった。

 

リツキシマブの投与1年後、%FVCは+8.8%(p = 0.001)および%DLCO+4.6%(p = 0.018)と改善した。また、ステロイド投与量は有意に減少し、25%の患者で中止できた。

 

治療開始2年後、リツキシマブは9例で中止した(3例は有害事象、6例は効果無効)。

24ヵ月治療を完了した15例(62.5%)では、肺機能の改善が維持されていた(%FVCは+11.1%(p = 0.003)、%DLCOは+8.7%(p = 0.003))

 

 

 

<まとめ>

ミコフェノール酸モフェチルにリツキシマブを追加投与することは、全身性強皮症に伴う間質性肺炎における有効な治療戦略である可能性がある。

 

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