全身性強皮症に伴う間質性肺炎の病期分類(その1)

昨日の記事で、全身性強皮症に伴う間質性肺炎では、病期分類として重症度が上がるにつれてKL-6の値が上昇することを報告させていただきました。

全身性強皮症に伴う間質性肺炎の病期分類は、2008年に報告されたGohらの基準を用いています。

Goh NSL, et al. Interstitial lung disease in systemic sclerosis: a simple staging system. Am J Respir Crit Care Med 2008;177:1248–54.

これは胸部HRCTで病変の広がりが20%を超えるかどうか、努力肺活量(FVC)が70%を超えるかどうかでlimited diseaseextensive diseaseに分類されます。

病変の広がりは、①大動脈弓部、②気管分岐部、③肺静脈合流点、④3と5の中間、⑤右横隔膜上、の5スライスで、5%単位で病変の面積比をそれぞれ求め、それらを平均した値としています。

この病期分類は、今後の疾患進行や死亡を測るよい指標である可能性があり、「膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針〈2020〉」の治療アルゴリズムでも用いられています。

全身性強皮症に伴う間質性肺炎が、limited diseaseなのかextensive diseaseなのか、治療戦略を考えるうえでは非常に重要です。

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