強皮症に伴う間質性肺疾患の肺病理像:NSIPパターン

全身性強皮症(SSc)の臓器病変のなかでも、間質性肺炎は頻度が高く、重要な合併症です。

では、全身性強皮症に伴う間質性肺炎(SSc-ILD)の肺病理組織は、どのような所見をとるのでしょうか。

2001年に日本から全身性強皮症に伴う間質性肺炎における9例の肺病理組織が報告されました。

Fujita J, et al. Non-specific interstitial pneumonia as pulmonary involvement of systemic sclerosis. Ann Rheum Dis 2001;60:281–3.

この9例の肺病理組織の結果では、

  • 4例が通常型間質性肺炎(UIP)パターン
  • 5例が非特異性間質性肺炎(NSIP)パターン

に分類されています。

<肺病理NSIPのGroupに関する覚え書>

専門的になってしまいますが、NSIPは1994年にKatzensteinにより提唱された疾患概念であり、実は組織学的に

  • NSIP Group1; cellular(胞隔炎)
  • NSIP Group2; cellular and fibrotic(胞隔炎と線維化)
  • NSIP Group3; fibrotic(線維化)

の3型に分類されていました。

(Katzenstein AL, Fiorelli RF. Nonspecific interstitial pneumonia/fibrosis. Histologic features and clinical significance. Am J Surg Pathol 1994;18:136–47.)

本研究のNSIPの5例も、NSIP Group2が3例、NSIP Group2-3が1例、NSIP Group2+diffuse alveolar damageに分類されています。

本研究は少数例での報告ではありますが、極めて重要な肺病理組織の報告です。

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