全身性強皮症(SSc)の臓器病変のなかでも、間質性肺炎は頻度が高く、重要な合併症です。
では、全身性強皮症に伴う間質性肺炎(SSc-ILD)の肺病理組織は、どのような所見をとるのでしょうか。
2001年に日本から全身性強皮症に伴う間質性肺炎における9例の肺病理組織が報告されました。
この9例の肺病理組織の結果では、
- 4例が通常型間質性肺炎(UIP)パターン
- 5例が非特異性間質性肺炎(NSIP)パターン
に分類されています。
<肺病理NSIPのGroupに関する覚え書>
専門的になってしまいますが、NSIPは1994年にKatzensteinにより提唱された疾患概念であり、実は組織学的に
- NSIP Group1; cellular(胞隔炎)
- NSIP Group2; cellular and fibrotic(胞隔炎と線維化)
- NSIP Group3; fibrotic(線維化)
の3型に分類されていました。
本研究のNSIPの5例も、NSIP Group2が3例、NSIP Group2-3が1例、NSIP Group2+diffuse alveolar damageに分類されています。
本研究は少数例での報告ではありますが、極めて重要な肺病理組織の報告です。