IPAF基準を満たす間質性肺疾患のうち、シェーグレン症候群がどの程度潜在性に隠れているかを検討した研究がアルゼンチンから報告されました。
対象
IPAF基準を満たす間質性肺疾患の患者67名
口唇腺生検、角結膜染色とシルマー試験(眼科)、抗SS-A抗体と抗SS-B抗体の測定などを行い、シェーグレン症候群の基準を満たすかどうか検証した。
(シェーグレン症候群の分類基準は2016年のACR/EULAR分類基準を採用)
結果
シェーグレン症候群と診断されたのは27例(40.3%)でした。
しかし、この研究の患者背景では、ドライアイの症状は全体の63%、ドライマウスは全体の79%で認めており、かなり偏った患者集団の可能性があるため、結果の解釈には注意が必要です。
そもそもこの研究の背景には、現在よく用いられているIPAF基準には、シェーグレン症候群に特徴的な乾燥症状が含まれていないことがあります。
IPAF基準を満たす間質性肺疾患の中には、潜在性に診断されていないシェーグレン症候群が多数存在する可能性があり、口唇腺生検やドライアイの検査をもう少し積極的に検討してよいかもしれません。
(最終アップデート:2022年3月7日)