関節リウマチの間質性肺炎、リウマチ専門医と呼吸器内科医の意識の違い(2022年)

世界中のリウマチ専門医と呼吸器専門医を対象に、関節リウマチに伴う間質性肺疾患に対する理解と意見について調査を行った研究結果が報告されました。

Solomon JJ, Swigris JJ, Kreuter M, Polke M, Aronson K, Hoffmann-Vold A-M, Dellaripa PF. The attitudes and practices of physicians caring for patients with rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease: an international survey. Rheumatology (2022) 61:1459–1467.

リウマチ専門医と呼吸器専門医の間には、関節リウマチに伴う間質性肺疾患の推定される有病率、危険因子、治療法について、大きな隔たりがあるようです。

さらに詳しく解説(専門的な内容です)

目的
本研究では、関節リウマチに伴う間質性肺疾患(RA-ILD)の危険因子、診断方法、治療法について、リウマチ専門医と呼吸器専門医の理解度や意見を明らかにすることを目的とした。

方法
RA-ILDの疫学、ワークアップ、管理に関する質問と、リウマチ医を対象としたケースベースのシナリオを用いたILDスクリーニングに関する質問を含む、Redcapを用いた2つの別々の調査により、リウマチ医と呼吸器医を対象に国際電子調査を実施した。また、この調査では、参加者の診療環境、診療年数、診療国などの人口統計データも収集した。

結果
6大陸から合計616名(リウマチ医354名、呼吸器医262名)の回答があった。
呼吸器専門医とリウマチ専門医の間では、推定有病率と死亡率、RAにおけるILD発症の危険因子、有効または避けるべき薬剤について、回答に大きな違いがあった。
リウマチ専門医は、ILDを示唆する症状や検査所見を有する高リスク患者と比較して、高リスクの無症状患者のILD評価を検討する可能性が非常に低かった。

結論
本研究は、RA-ILD患者をケアする医療従事者間の疾患評価と臨床実践のばらつきを明らかにし、RA-ILDのリスク評価、スクリーニング、治療における臨床的意思決定を最適化するためにさらなる教育が必要であることを示している。
RA-ILDの適切なスクリーニングと治療戦略に関する研究課題は、RA患者の全身の健康と肺の健康において中心的な役割を担うリウマチ専門医にとって貴重なものであるだろう。

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