間質性肺炎の重要な合併症の一つに肺がんがあります。
肺がんの治療では早期であれば手術が選択肢となりますが、間質性肺炎がある場合には手術自体が施行困難であったり、術後の急性増悪が問題となります。
間質性肺炎合併肺がんの術後の急性増悪を調べた研究が報告されています。
間質性肺炎合併の肺がん患者1022例を対象に、術後30日以内の急性増悪の発症を予測するスコアリングシステムを構築。
術後の急性増悪のリスク因子と点数
5点:過去の急性増悪の既往
4点:術式が部分切除以外
4点:胸部CTでUIPパターンあり
3点:術前のステロイド使用
3点:男性
2点:KL-6が1000U/mlより大きい
1点:肺活量(VC)が80%以下
これらを合計22点満点で評価しています。
(術後の急性増悪を予測するROC曲線でのAUCは0.709)
各リスク群と術後急性増悪のリスク
合計22点満点で計算し、各点数に応じて、低リスク~高リスク群に分類します。
低リスク群( 0-10点):術後急性増悪のリスクは10%未満
中リスク群(11-14点):術後急性増悪のリスクは10-25%
高リスク群(15-22点):術後急性増悪のリスクは25%より多い
<まとめ>
間質性肺炎合併肺がんの術後急性増悪を予測するスコアリングシステムが構築された。7項目の因子から合計22点満点で計算し、各リスク群に応じた術後急性増悪の発症率が予測される。