特発性肺線維症(IPF)の重症度分類、GAPモデルとは?

特発性肺線維症(IPF)の重症度の指標として、GAPモデルが用いられています。

Ley B, et al. A multidimensional index and staging system for idiopathic pulmonary fibrosis. Ann Intern Med 2012;156:684–91.

GAPモデルとは

GAP(ギャップ)とは、

  • Gender(性別)
  • Age(年齢)
  • Lung Physiology variables(肺機能)

の略語です。特発性肺線維症(IPF)の患者の性別、年齢、肺機能を用いて重症度分類を行います。

GAP indexと重症度

性別と年齢、肺機能として努力肺活量(FVC)と肺拡散能力(DLCO)の値を用いて、合計8点満点で点数化します。

性別:男性 +1点、女性 0点

年齢:60歳以下 0点、61-65歳 +1点、66歳以上 +2点

FVC:>75% 0点、50-75% +1点、<50% +2点

DLCO:>55% 0点、36-55% +1点、≦35% +2点、施行困難 +3点

合計点が高いことほど重症度が高く、その点数に応じて、0-3点ならステージⅠ、4-5点ならステージⅡ、6-8点ならステージⅢというように3段階で重症度を分類します。

各重症度毎の予後

男性高齢低肺機能であるほど高いステージに分類され、それぞれステージごとの死亡率は以下の通りの結果でした。

  • ステージⅠ
    • 1年死亡率:5.6%、2年死亡率:10.9%、3年死亡率:16.3%
  • ステージⅡ
    • 1年死亡率:16.2%、2年死亡率:29.9%、3年死亡率:42.1%
  • ステージⅢ
    • 1年死亡率:39.2%、2年死亡率:62.1%、3年死亡率:76.8%

特発性肺線維症(IPF)では、このGAPモデルを用いて重症度を分類します。あくまで参考ではありますが、やはり高齢の方や肺機能が悪い方は、より一層その後の進行に注意する必要があります。

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