特発性肺線維症(IPF)の重症度の指標として、GAPモデルが用いられています。
GAPモデルとは
GAP(ギャップ)とは、
- Gender(性別)
- Age(年齢)
- Lung Physiology variables(肺機能)
の略語です。特発性肺線維症(IPF)の患者の性別、年齢、肺機能を用いて重症度分類を行います。
GAP indexと重症度
性別と年齢、肺機能として努力肺活量(FVC)と肺拡散能力(DLCO)の値を用いて、合計8点満点で点数化します。
性別:男性 +1点、女性 0点
年齢:60歳以下 0点、61-65歳 +1点、66歳以上 +2点
FVC:>75% 0点、50-75% +1点、<50% +2点
DLCO:>55% 0点、36-55% +1点、≦35% +2点、施行困難 +3点
合計点が高いことほど重症度が高く、その点数に応じて、0-3点ならステージⅠ、4-5点ならステージⅡ、6-8点ならステージⅢというように3段階で重症度を分類します。
各重症度毎の予後
男性、高齢、低肺機能であるほど高いステージに分類され、それぞれステージごとの死亡率は以下の通りの結果でした。
- ステージⅠ
- 1年死亡率:5.6%、2年死亡率:10.9%、3年死亡率:16.3%
- ステージⅡ
- 1年死亡率:16.2%、2年死亡率:29.9%、3年死亡率:42.1%
- ステージⅢ
- 1年死亡率:39.2%、2年死亡率:62.1%、3年死亡率:76.8%
特発性肺線維症(IPF)では、このGAPモデルを用いて重症度を分類します。あくまで参考ではありますが、やはり高齢の方や肺機能が悪い方は、より一層その後の進行に注意する必要があります。