マニア編– category –
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特発性肺線維症のうち約40%が過敏性肺炎の可能性
過敏性肺炎の診断ガイドラインが2020年に報告され(⇒「過敏性肺炎の診断ガイドライン2020」)、日本からも新たに過敏性肺炎診療指針2022が報告されました。しかし、まだまだ過敏性肺炎の診断は難しい問題で、特に特発性肺線維症(IPF)との鑑別は非常に... -
画像NSIPパターンでも約40%は病理UIPパターン
間質性肺炎の代表的な画像所見はUIP(通常型間質性肺炎)パターンやNSIP(非特異性間質性肺炎)パターンですが、この両者の鑑別は決して容易ではありません。 Sumikawa H, et al. Pathologically proved nonspecific interstitial pneumonia: CT pattern a... -
IPF急性増悪に対するステロイドは有効でない可能性
特発性肺線維症(IPF)の急性増悪の治療については、まだ議論の余地があるものの、高用量ステロイドや免疫抑制剤が選択されていることが多いと思います。 そのような現状の中で、急性増悪に対するステロイド治療に関する研究がアメリカから報告されました... -
専門家でも画像UIPパターンの一致度は0.5
特発性肺線維症(IPF)の特徴的な胸部CT所見は通常型間質性肺炎(UIP)パターンですが、この読影は容易ではなく、極めて高い専門性が求められます。 特発性肺線維症患者のUIPパターン。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26585524/より引用掲載) 201... -
どのウイルス感染が急性増悪の誘因となる可能性があるか
特発性肺線維症(IPF)の急性増悪の原因の一つにウイルス感染があります。 2011年に急性増悪時と安定期の気管支肺胞洗浄液(BAL液)を用いてウイルスの検査を行い、急性増悪時のウイルス感染を調べた研究が報告されました。Wootton SC, et al. Viral infec... -
気管支鏡検査における形状認識ロボット技術
ついに形状認識ロボットが気管支鏡検査で導入されました。かなりの診断率にも思いますが、近い将来、実用化されるのでしょうか。ちなみにデモでは、ファミコンのコントローラーみたいなものを使用して、テレビゲームのように操作していました。 Kalchiem-D... -
(深読み)トレプロスチニル吸入群は複数の疾患進行イベント発生を抑える可能性
ちょっと今日は趣向をかえて、論文を深読みしてみたいと思います。 先日、間質性肺炎に伴う肺高血圧症に対するトレプロスチニル吸入の後解析の結果をご報告させていただきました。トレプロスチニル吸入開始後に疾患進行イベントが起こっても、さらに吸入を... -
ANCA関連血管炎の画像、病理の特徴は?(特発性肺線維症との比較)
間質性肺炎の検査ではANCAを測定しますが、その臨床的な意義についてはまだわかっていないことは多いです。このANCA陽性の間質性肺炎について、2016年に日本の単施設からの画像所見、病理所見の特徴が報告されました。 Hosoda et al. Clinical features of... -
COVID-19と特発性肺線維症(IPF)の遺伝的背景の関与
COVID-19の重症化リスクと特発性肺線維症(IPF)の遺伝的背景を調べた研究が報告されました。 Fadista J, et al. Shared genetic etiology between idiopathic pulmonary fibrosis and COVID-19 severity. EBioMedicine 2021;65:103277. 背景 特発性肺線... -
cicatricial OPは約40%に認め、急性増悪や肺機能低下と関連しない
瘢痕性器質化肺炎(cicatricial organising pneumonia:ciOP)に関する重要な報告です。 Zaizen Y, et al. Cicatricial organizing pneumonia associated with fibrosing interstitial pneumonia - A clinicopathological study. Histopathology 2021. 背...