肺のびまん性肺骨化症

胸部CTで間質性肺炎をみる際に、時に骨化を認めることがあります。このびまん性肺骨化症について、日本の放射線科の大変ご高名な先生から重要な研究結果が報告されています。

Egashira R, et al. Diffuse Pulmonary Ossification in Fibrosing Interstitial Lung Diseases: Prevalence and Associations. Radiology 2017;284:255–63.

 

一言解説

間質性肺炎でも肺のキラキラ光る骨化を認めることがあり、間質性肺炎全体で所見があるが、特に特発性肺線維症との関連がある。

 

 

 

さらに詳しく解説(専門的な内容です)

 

目的

線維性間質性肺疾患(ILD)患者におけるびまん性肺骨化症(DPO, diffuse pulmonary ossification)の有病率を調査し、ILDの種類による違いがあるかどうかを明らかにする。

 

方法

研究対象は、連続した線維性ILD患者892人で、特発性肺線維症(IPF)456人、非特異性間質性肺炎244人、慢性過敏性肺炎(CHP)192人であった。

  • 肺骨化症は、bone window images(width 2500HU、level 500HU)で結節(直径4mm未満)が確認された場合に記録した。
  • DPOの定義:10個以上の両側結節性骨化(定義①)または5個以上の両側結節性骨化を有する1つ以上の肺葉(定義②)。
  • 肺骨化および画像パターン、臨床パラメータ、集学的チームによる診断の間の関係を調べた。
  • DPOの有病率はχ2統計量またはFisher exact検定で比較し、多変量解析はロジスティック回帰で行った。

 

結果

全体892人のうち、DPOの有病率は定義①が166人(18.6%)、定義②が106人(11.9%)であった。

 

光る電球のイラストDPOの有病率

定義①:IPF 28.5%、non-IPF 8.3%、NSIP 11.1%、CHP 4.7%

定義②:IPF 18.9%、non-IPF 4.6%、NSIP   6.1%、CHP 2.6%

 

多変量解析では、DPOはIPF診断と有意に関係があった(P < .001)。

 

 

<まとめ>

胸部CTでびまん性肺骨化症は間質性肺炎で認め、特にIPF診断と有意に関係を認めた。

 

 

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