最近のトレンドは関節リウマチに伴う間質性肺炎とメソトレキセートの関係です。
2017年の過去の報告ですが、メソトレキセートが実は間質性肺炎に対してそれほど有害ではない可能性が示唆される報告を提示します。
一言解説
リウマチに伴う間質性肺炎に対してメソトレキセートはこれまで使用されてこなかったが、少しずつ認識が変わってきている可能性がある。
さらに詳しく解説(専門的な内容です)
背景
間質性肺疾患(ILD)は、関節リウマチ(RA)の重篤な合併症である。HRCTスキャンにおける通常型間質性肺炎(UIP)確定パターンと予後不良に関連が報告されている。さらに、RA-ILDにおけるメトトレキサートの使用は議論の余地がある。
研究目的:RA-ILD患者コホートにおいて、メトトレキサート投与を含む予後因子と生存率との関連を評価すること。
方法
メキシコの単一施設で評価、治療のために紹介されたRA-ILD患者を対象とした。
- ベースライン時に肺機能検査を実施し、HRCTを施行した。
- 放射線科医がILDのパターンと肺疾患の程度を評価した。
- 追跡調査開始時にRA-ILDの治療薬としてメトトレキサートが処方されていた患者は、メトトレキサート治療を受けているとみなした。
結果
RA-ILDの患者78人を対象とした。
単変量解析でp<0.2の変数を多変量解析を用いて、生存との関連を解析した。
多変量解析では、メソトレキセート使用(HR 0.063、95%CI 0.15-0.47)、高齢(HR 1.10、95%CI 1.03-1.17)が予後と有意に関連していたが、HRCTでUIPパターンは関連を認めなかった(HR 0.18、95%CI 0.009-3.48)。
<まとめ>
RA-ILDの患者を対象に行った後視的な検討では、画像UIPパターンは予後と関連がなく、メソトレキセート使用はむしろ予後良好な因子である可能性が示唆された。