シェーグレン症候群関連間質性肺炎の治療は、
まだ明確にエビデンスの定まったものは存在しませんので、
あくまで参考程度の情報です。
2020年に欧州リウマチ学会からシェーグレン症候群の治療推奨が報告されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31672775/
- ESSDAIが中等度以上の場合にはステロイド
- 効果乏しい場合には免疫抑制剤の併用を考慮
することが記載されています。
免疫抑制剤としては、
- アザチオプリン(イムラン🄬)
- ミコフェノール酸モフェチル(セルセプト🄬)
- シクロスポリン(ネオーラル🄬)
- タクロリムス(プログラフ🄬)
- シクロホスファミド(エンドキサン🄬)
- リツキシマブ(リツキサン🄬)
などが考慮されますが、本邦では未承認薬剤です。
そもそもステロイド自体のエビデンスはまだ確立しておらず、
その他の免疫抑制剤に関しても十分なエビデンスは不十分で、
シェーグレン症候群診療ガイドライン2017年にも、間質性肺炎に対する免疫抑制剤の記載は、弱い推奨にとどまります。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29409370/
さらに、最近では進行性線維化を伴う間質性疾患(PF-ILD)の概念が報告され、
これら基準を満たす場合にはニンテダニブ(オフェブ🄬)の使用が保険収載されました。
シェーグレン症候群関連間質性肺炎の治療に関しては、まだまだ確立した治療法がないのが現状ですが、
- 抗炎症治療としてのステロイドや免疫抑制剤
- 抗線維化薬としてのニンテダニブ(オフェブ🄬)
を組み合わせて治療戦略を検討しています。