特発性肺線維症(IPF)の特徴的な胸部CT所見は通常型間質性肺炎(UIP)パターンですが、この読影は容易ではなく、極めて高い専門性が求められます。
特発性肺線維症患者のUIPパターン。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26585524/より引用掲載)
2016年に報告された報告では、画像のUIPパターンを放射線科医が読影した場合の一致率は、
- 経験年数10年未満の放射線科医
- 経験年数10-20年の放射線科医
- 経験年数20年以上の放射線科医
のいずれの群もカッパ係数はおよそ0.5程度でした。
カッパ係数とは、診断の一致度を評価する指標です。
0~1の値をとり、値が大きいほど一致度が高いことになります。
- 0.0-0.4 poor
- 0.4-0.6 moderate
- 0.6-0.8 good
- 0.8-1.0 excellent
が目安です。
0.5は中等度ということになり、放射線科医でもUIPパターンの読影は決して一致度が高いわけではありません。それだけ難しく、高い専門性が求められる所見です。
(最終アップデート:2022年03月24日)