2019年に全身性強皮症関連間質性肺疾患にニンテダニブ(商品名:オフェブ)が保険承認され、その根拠となったSENSCIS試験(国際共同第3相試験)の結果は説明させていただきました。
SENSCIS試験の日本人のサブグループ解析が2021年に報告されています。
ニンテダニブ群とプラセボ群との52週時点での努力性肺活量(FVC)の変化を比較していますが、結果は、
- ニンテダニブ群:52週時点でFVCは86.2ml低下
- プラセボ群:52週時点でFVCは90.9ml低下
であり、ほぼ差がない結果でした。
また、100週時点まで観察するとその差はさらに広がっていますので、長期的な効果に関しては今後の解析に期待したいところです。
ニンテダニブによる副作用は、日本人患者に特有の副作用がでることはなかったようです。日本人の解析結果での副作用の頻度(10%以上のもの)を提示します。
- 下痢 82.4%(このうち軽度な下痢が75%、中等度の下痢が25%)
- 上咽頭炎 26.5%、皮膚潰瘍 23.5% 吐き気 20.6%、嘔吐 20.6%、体重減少 17.6%、肝障害 17.6%、食欲低下 11.8%
(最終アップデート:2022年2月20日)