新型コロナ回復後の変化(症例報告)

新型コロナ(COVID-19)発症後100日目でも、全体の約60%で胸部CT検査で何らかの異常が認められ、回復後の肺の線維化がどのように回復していくかはとても重要な問題です。⇒「新型コロナウイルス感染症 発症後の心肺機能の経過」

 

2021年3月に新型コロナ回復後、後遺症についての症例が報告されました。

(Cottin V, et al. Interstitial Lung Disease after COVID-19. Am J Respir Crit Care Med 2021;203:1314–5.)

 

この症例は、喫煙歴のある73歳の男性で、

僧帽弁置換術後、心房細動、高血圧、慢性腎臓病などの併存症がある方です。

過去のCTでは肺野は異常はありませんでした

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で集中治療室に入院し、約1か月の入院期間を経て自宅退院されました。しかし、退院8週後でも呼吸困難は持続しており、低肺機能を認め、胸部CTでは肺野のすりガラス影などが残存していました。

 

ここでステロイド40mgで治療を開始したところ、陰影は改善しています。

 

このような症例はまさに、ステロイドが効果があった可能性のある症例です。

前回ご報告した、「新型コロナ退院後の間質性肺炎:ステロイド治療が有効な一群(イギリス)」はこのような症例かもしれません。

 

 

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