特発性肺線維症のANCA陽性率と血管炎発症率

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間質性肺炎の検査では、様々な項目をスクリーニングとして検査しますが、その一つにANCAという項目があります。これは小型血管炎と関連する自己抗体の一つですが、実は特発性肺線維症(IPF)でも陽性となることがあります。

アメリカの2施設(UCSFとUC)から、特発性肺線維症745例を対象とした重要な研究が報告されました。

  • UCSF:カルフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California San Francisco)
  • UC:シカゴ大学(University of Chicago)

Liu GY, et al. Prevalence and Clinical Significance of Antineutrophil Cytoplasmic Antibodies in North American Patients With Idiopathic Pulmonary Fibrosis. Chest 2019;156:715–23.

  • 対象:特発性肺線維症745例(UCSF 353例とUC 392例)
  • 特発性肺線維症の診断時にANCA陽性:34例(4.6%
    • UCSF 14例、UC 20例
    • MPO-ANCA 18例、PR3-ANCA 10例、非特異的ANCA 6例
  • 観察期間中央値:18.3か月
  • MPO-ANCA陽性の18例のうち、5/18例(27.8%)がANCA関連血管炎を発症
    • ANCA関連血管炎発症までの期間:10.5か月(UCの3例のみの観察)
  • PR2-ANCA陽性の10例ではAAV発症なし

本検討の結果から、特発性肺線維症では診断時に4.6%がANCA陽性であり、そのうちMPO-ANCA陽性であった症例の27.8%がその後ANCA関連血管炎を発症することがわかりました。

間質性肺炎の診断時に見つかるANCA陽性の病的意義はまだ定かではありませんが、一つの重要な報告だと思います。

<まとめ>

特発性肺線維症(IPF)の診断時に4.6%がANCA陽性であり、そのうちMPO-ANCA陽性であった症例の27.8%がその後ANCA関連血管炎を発症する。

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(最終アップデート:2022年2月4日)

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