胸部HRCT画像におけるUIPパターンと蜂巣肺の有無

胸部HRCT画像におけるパターン分類、各所見の読影は大切ですが、時に蜂巣肺の有無に悩むケースに出会います。

2006年Radiologyに報告された研究では、UIPパターンをNSIPパターンなどと鑑別する際に、有用な所見は蜂巣肺の広がり最近位の気管支の牽引性気管支拡張でした。

そのため、画像でUIPパターンかどうかの鑑別に蜂巣肺の有無を指摘することは非常に重要です。

しかし、蜂巣肺を指摘することは難しいこともあり、2013年Radiologyに報告された研究では蜂巣肺の一致率は中等度であったと報告されています。
■43人の研究者が蜂巣肺を読影
蜂巣肺の一致率は中等度(Cohen加重κ値: 0.40-0.58)
■不一致の要因:牽引性気管支拡張症、大きな嚢胞、肺気腫

また、2008年のAJRCCMには、病理UIPパターンを示す特発性間質性肺炎の画像解析に関する研究結果が報告されています。
この研究結果からは、蜂巣肺の程度はdefinite UIPパターンで強い傾向がありますが、予後との関連は牽引性気管支拡張や線維化スコアが重要であることも示唆されました。
■definite UIP, consistent with UIP, alternative diagnosisの3つに分類
■蜂巣肺に関する読影者間の相関係数は0.80
definite UIPはconsistent with UIPやalternative diagnosisに比較して蜂巣肺の広がりが強い
■definite UIPはやや予後不良ではあるが他のパターンと統計的な有意差はなし
牽引性気管支拡張線維化スコアが多変量解析で予後と関連

これら重要な日本からの既報を参考に、胸部HRCT画像の読影を日々トレーニングしていく必要があります。

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