病理学的に局所的なUIPの存在は進行性肺線維症の予後に重要な役割を果たす(Histopathology. 2024)

外科的肺生検の肺病理所見は、間質性肺炎の病態把握、診断に非常に有用です。特にUIPパターンは予後不良ということが考えれていますが、今回は進行性肺線維症(PPF)と病理UIP所見の関係を解析した研究結果が日本から報告されました。

PPF症例であっても、特に病理所見でUIP領域が10%以上あると予後不良と考えられます。

PPFに関しては以下の記事もご覧ください。

引用文献:Tsushima Y, Okoshi EN, Ishijima S, Bychkov A, Lami K, Morimoto S, et al. Presence of focal usual interstitial pneumonia is a key prognostic factor in progressive pulmonary fibrosis. Histopathology 2024;85:104–15.

目的
■進行性肺線維症 (PPF) は、2022年の間質性肺線維症 (IPF) ガイドラインで新たに認識された臨床表現型。
■しかし、このカテゴリは完全に臨床および画像診断に基づいており、背景にある病理は不明である。
■目的:PPFの病理学的特徴を調査し、通常型間質性肺炎 (UIP) と新しい疾患タイプの予後との相関を検討した。

方法と結果
■症例アーカイブからPPFの臨床基準を満たす201例を選定。
■多職種チームによってIPFと診断された症例は除外。
病変面積の10%以上を占める局所的なUIP様線維化は、病理医ごとにそれぞれ148例 (73.6%)、168例 (83.6%)、165例 (82.1%) で認められた。認識の一致度はすべてのペアでκ = 0.6以上。
■生存分析では、局所的なUIP様線維化の存在がすべてのパラメータで予後不良と関連 (P < 0.001)。

結論
■UIP様線維化の存在は、PPFの主要な病理学的特徴であり、その存在は予後不良と関連。
■この研究は、PPFの評価と管理において局所的なUIP様線維化の重要性を強調している。

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