過敏性肺炎の診断基準が2020年に報告されましたが、その診断基準をどのように臨床の現場で用いていくかはまだまだ議論の余地があります。
この過敏性肺炎のガイドラインについて、日本から外科的肺生検を施行した280例の研究が報告がされました。
過敏性肺炎ガイドラインで過敏性肺炎と診断した95例のうち、特発性肺線維症(IPF)と診断されていた症例は42例(44%)でした。
また反対に、特発性肺線維症(IPF)の137例うち、過敏性肺炎ガイドラインで過敏性肺炎(診断確信度70%以上)と診断した症例は42例(31%)でした。
また、これらの予後を比較すると、
- 特発性肺線維症(IPF)では、過敏性肺炎ガイドライン(HPGL)の過敏性肺炎診断の有無で予後は変わらない結果
- IPF+HPGL-HP = IPF+HPGL-non-HP
- 一方、過敏性肺炎ガイドラインで診断した過敏性肺炎のうち、特発性肺線維症(IPF)はそれ以外の間質性肺炎に比較して、有意に予後不良な経過
- IPF+HPGL-HP < non-IPF+HPGL-HP
となる結果であったようです。
過敏性肺炎の診断をどのようにとらえるか、今後の臨床的な大きな課題と考えます。
(最終アップデート:2021年12月17日)