間質性肺炎の新たな治療薬についての研究です。
MMF(ミコフェノール酸モフェチル、商品名:セルセプト)とAZA(アザチオプリン、商品名:イムラン)が間質性肺炎にどの程度使用されているかを調べた研究がカナダから今年報告されました。
間質性肺炎(膠原病に伴う間質性肺炎、線維化性過敏性肺炎、分類不能型間質性肺炎)のレジストリーに登録された2297例のうち、1次治療でMMFを使用した739例(32%)とAZAを使用した337例(15%)を対象としています。
背景疾患
MMF
- 膠原病に伴う間質性肺炎:488例(66%)
- 強皮症155例、関節リウマチ57例、その他276例
- 線維化性過敏性肺炎:111例(15%)
- 分類不能型間質性肺炎:140例(19%)
AZA
- 膠原病に伴う間質性肺炎:252例(75%)
- 強皮症75例、関節リウマチ43例、その他134例
- 線維化性過敏性肺炎:38例(11%)
- 分類不能型間質性肺炎:47例(14%)
間質死肺炎の診断から治療開始までの期間
- MMF:9か月
- AZA:11か月
ステロイド併用率
- MMF:54%
- AZA:63%
治療後の継続性
MMF
- 6か月間継続した患者:82%(571/598例が初期投与量で継続)
- 一つ以上の副作用あり:26%
- 中止に至った副作用:消化器症状60%、感染症15%、倦怠感14%
AZA
- 6か月間継続した患者:40%(124/134例が初期投与量で継続)
- 一つ以上の副作用あり:32%
- 中止に至った副作用:消化器症状18%、肝酵素上昇17%、血球異常9%
<まとめ>
カナダの実臨床のデータでは、MMFは比較的多く使用されており、良好な継続性を認めた。新たな治療選択肢となる可能性あり、今後のさらなる研究が望まれる。