hexagonal patternが重要、過敏性肺炎と特発性肺線維症の鑑別

過敏性肺炎と特発性肺線維症の鑑別は非常に難解ですが、CT所見の一つであるhexagonal patternが両者鑑別に有用であることが報告されました。

Okabayashi H, Fukuda T, Iwasawa T, Oda T, Kitamura H, Baba T, et al. The new useful high-resolution computed tomography finding for diagnosing fibrotic hypersensitivity pneumonitis: “hexagonal pattern”: a single-center retrospective study. BMC Pulm Med 2022;22:76.

 

一言解説

過敏性肺炎と特発性肺線維症の鑑別には、胸部CTでhexagonal pattern

有無が重要である。

 

 

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さらに詳しく解説(専門的な内容です)

背景

線維化性過敏性肺炎(fHP)に特徴的なHRCT所見として、小葉中心性結節、GGO、モザイク様陰影、エアトラッピング、tree-density patternが報告されている。しかし、fHPと特発性肺線維症(IPF)との鑑別は困難なことが多い。

fHPではHRCTで胸膜下病変から内層に及ぶtortoiseshell-like interlobular septal thickening(鼈甲状の小葉間隔壁肥厚)が見られることがある。

この所見はhexagonal patternと呼ばれ、この所見が線維性HPとIPFの鑑別に有用である可能性に着目した。

(図. hexagonal patternの画像所見と肺病理所見。文献より引用掲載)

 

方法

本研究は、神奈川県立循環器呼吸器病センターにおいて2015年1月から2017年12月までに外科的肺生検を受けたfHPまたはIPFの集学的検討(MDD)診断の患者を対象とした。

2名の放射線科医が臨床・病理情報を伴わずにHRCT所見を評価した。

 

結果

MDDによりfHPと診断された患者は計23名、IPFと診断された患者は48名であった。

広範なGGO、小葉中心性結節、hexagonal patternは、IPFよりもfHPでより頻度の高い所見であった。

モザイク様陰影、エアトラッピング、three-density patternの有無については、両群間に有意差は認められなかった。

多変量ロジスティック回帰では広範なGGOとhexagonal patternの存在は、fHPのオッズ比の上昇と関連し、hexagonal patternが存在する場合のfHPの診断の感度と特異度は、それぞれ69.6%と87.5%であった。

 

<まとめ>

hexagonal patternは、fibrotic HPとIPFの鑑別に有用な所見である。

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