IPF診断の遅れの要因(Respir Res. 2019)

論文のタイトル: Risk factors for diagnostic delay in idiopathic pulmonary fibrosis
著者: Nils Hoyer, et al
出版年: 2019
ジャーナル: Respiratory Research
PMID: 31126287

特発性肺線維症(IPF)の診断に遅れは約2.1年、原因として、男性、高齢、および過去の吸入治療等がリスク要因として挙げられました。

abstractの概要
背景: 特発性肺線維症(IPF)の患者に関する調査および後方視的研究では、顕著な診断遅延が示されている。しかし、この遅延の原因およびリスク要因は明らかではない。
方法: IPF診断前の6つの時点(症状の発症、一般開業医への最初の連絡、最初の病院連絡、間質性肺疾患(ILD)センターへの紹介、ILDセンターでの最初の訪問、最終診断)の日付を、204名の新規IPF患者の多施設コホートで記録した。これらの日付に基づいて、遅延は特定の患者関連および医療関連の遅延に分けられた。人口統計学的および臨床データを使用して、遅延の延長に対するリスク要因を、多変量負の二項回帰分析を用いて決定した。
結果: 診断までの中央遅延時間は2.1年(四分位範囲:0.9-5.0年)であり、主に患者、一般開業医、および地域病院に起因する。男性は患者の遅延のリスク要因(IRR: 3.84、95% CI: 1.17-11.36、p = 0.006)、高齢は医療機関の遅延のリスク要因(IRR: 1.03、95% CI: 1.01-1.06、p = 0.004)であった。過去に吸入療法を使用していた患者では総遅延が延長された(IRR: 1.99、95% CI: 1.40-2.88、p < 0.0001)が、気道閉塞のある患者ではそうではなかった。全患者の41%で呼吸器症状の誤診があった。
結論: IPFに対する認識が高まっているにもかかわらず、診断までの遅延は依然として2.1年である。男性、高齢、および代替診断のための治療試行は、IPFの診断遅延のリスク要因である。診断遅延を減少させる努力は、これらのリスク要因に焦点を当てるべきである。

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