日本人のCOVID-19重症化の予測モデル

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日本から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化の予測モデルを構築した研究が報告されました。

Muto Y, et al. Predictive model for the development of critical coronavirus disease 2019 and its risk factors among patients in Japan. Respir Investig 2021;59:804–9.

 

目的

日本の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスク要因を検討し、重症化リスクの予測モデルを構築することを目的とした。

 

方法

2020年2月1日から2021年3月10日の間にCOVID-19と診断された成人日本人患者を後方視的に評価した。

患者は臨床経過中の状態に基づき、重症群と非症例群に分けた。

  • 重症群の定義:以下のいずれか一つ以上を満たす
    • 呼吸不全
    • 敗血症性ショック
    • 多臓器不全

 

結果

合計300名の患者が登録され、そのうち86名(29%)が重症群に含まれた。

多変量解析により年齢≧65歳、血液透析、診断時に酸素投与が必要、初期のCRP値≧6.5 mg/dLがCOVID-19の重症化と独立して関係していたことが明らかとなった。

 

年齢、性別、糖尿病、血液透析、診断時に酸素投与が必要、初期のCRP値≧6.5 mg/dLを重症化の予測因子として設定し、合計23点満点でスコアリングした。

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(図. 各所見の点数。合計23点満点。文献より引用掲載)

このモデルのAUCは0.86(95%CI:0.81-0.90)であり、12点をカットオフとした場合の感度は43.0%、特異度は93.9%であった。陽性的中率は74.0%、陰性的中率は80.4%であった。

この重症化予測モデルを2021年3月から5月にCOVID-19で入院した27例でバリデーションを行ったところ、重症群は5例、AUCは0.83(95%CI:0.58-1.0)であった。

 

<まとめ>

日本人のコホートを用いて、COVID-19の重症化を予測するスコアリングモデルが構築された。

 

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