強皮症に伴う間質性肺炎とKL-6の関係は極めて重要な臨床的な課題です。
背景
KL-6とCCL-18は、全身性硬化症(SSc)に伴う間質性肺炎(SSc-ILD)における有望なバイオマーカーである。
研究の目的:発症早期のSSc-ILD患者を対象に、追跡調査開始後1年以内の努力肺活量(%FVC)の低下が、KL-6とCCL-18を用いて予測可能かを明らかとすること。
方法
Genetics versus Environment in Scleroderma Outcome Study(GENISOS)コホートに登録された早期SSc-ILD患者を対象とした。
- 早期:レイノー現象以外の症状出現から5年以内の症例
- KL-6高値:KL-6>1273 U/ml
- CCL-18高値:CCL-18>140 ng/ml
ベースラインとフォロー時(12~18カ月後)の%FVCの年間変化率を用いて、間質性肺炎の進行を評価した。
結果
平均罹病期間2.3年の早期SSc-ILD患者82例を調査した。
KL-6高値群は低値群より%FVCの年間低下率が高かったが、CCL-18では両群に差は認めなかった。
多変量解析を用いた結果では、性別、病型(限局皮膚硬化型かびまん皮膚硬化型)、抗Scl-70抗体で調節しても、KL-6高値は%FVC低下の独立した予測因子であった。
CCL-18は%FVCの変化と関連を認めなかった。
<まとめ>
発症早期のSSc-ILDにおいて、KL-6高値(>1273U/ml)は早期進行の予測因子である可能性がある。