2022年1月の最新のJAMAに、COVID-19の呼吸管理に対して、CPAP(持続陽圧呼吸療法)とHFNC(高流量鼻カニュラ酸素療法)とを通常酸素投与と比較した試験がイギリスから報告されました。
コロナ禍でHFNCが大いに取り上げられていますが、今一度CPAPの有用性をしっかり見直す必要があります。
背景
2020年のイギリスで入院したCOVID-19患者約6.4万人の検討では、76%が酸素療法をうけ、9%が挿管・人工呼吸器管理を要した。侵襲的な人工呼吸器管理は集中治療室を逼迫することが危惧され、高濃度酸素が必要な患者での侵襲的な人工呼吸器管理を減らす方策が求められた。
目的:COVID-19による急性呼吸不全患者において、CPAPとHFNCが通常酸素源法と比較して臨床転帰を改善するかを検討する。
方法
イギリスのジャージー州の48つの急性期病院で行われた非盲検・並列群・多施設共同・無作為化試験
期間:2020年4月6日から2021年5月3日
対象:COVID-19による低酸素性呼吸不全入院患者1273例
介入:CPAP(n=380)vs HFNC(n=418)vs 通常酸素療法(n=475)に無作為割り付け
主要評価項目:30日以内の気管挿管または死亡の割合
結果
COVID-19症例数減少と募集期間の終了により、予定患者数到達前に組み入れ終了。
対象患者は1273例(平均年齢57.4歳、男性66%、白人65%)のうち、解析対象となったのは1260例。
介入群間のクロスオーバーは17.1%(CMP群15.3%、HFNC群11.5%、通常酸素療法群23.6%)
30日以内の気管挿管または死亡の割合は、
- CPAP群 36.3% vs 通常酸素療法群 44.4%、絶対リスク差 -8%、P=0.03
- HFNC群 44.3% vs 通常酸素療法群 45.1%、絶対リスク差 -1%、P=0.83
有害事象はCPAP群 34.2%、HFNC群 20.6%、通常酸素療法群 13.9%に発生した。
<まとめ>
COVID-19による急性呼吸不全の患者において、CPAPによる初期治療は通常酸素療法に比して気管挿管や死亡のリスクを有意に減少した。HFNCに関しては通常酸素療法と比較して有意差はなかったが、検出力不測の可能性はある。