慢性咳嗽に対する咳減少効果が期待されるゲーファピキサント(薬剤名:リフヌア錠)ですが、COUGH-1およびCOUGH-2の統合結果が報告されました。
一言解説
慢性的な咳に対してゲーファピキサントによる咳減少効果が報告された。
さらに詳しく解説(専門的な内容です)
背景
ゲーファピキサント(Gefapixant)は経口P2X3受容体拮抗薬であり、これまでに難治性慢性咳嗽および原因不明の慢性咳嗽に対して有効性および安全性が確認されている。
研究目的:難治性慢性咳嗽および原因不明の慢性咳嗽を有する患者を対象に、ゲーファピキサントの有効性および安全性を確認すること。
方法
COUGH-1およびCOUGH-2は、いずれも二重盲検無作為化並行群間プラセボ対照第3相試験である。COUGH-1は17カ国156施設で、COUGH-2は20カ国175施設で行われた。
- 18歳以上
- 難治性の慢性咳嗽または期間1年以上の原因不明の慢性咳嗽と診断
- スクリーニングおよびベースライン時に咳嗽重症度VAS≧40mm
- コンピュータで作成された割付表を用いて、プラセボ、ゲーファピキサント15mg1日2回、ゲーファピキサント45mg1日2回の3つの治療群のいずれかにランダムに割り付けられた(1:1:1)
- 経口投与
- COUGH-1試験(NCT03449134)では12週間、COUGH-2試験(NCT03449147)では24週間の主試験期間、その後延長期間を経て、両試験とも最大52週間の治療が行われた
主要評価項目:COUGH-1試験では12週間、COUGH-2試験では24週間におけるプラセボ調整後の24時間咳嗽頻度の平均変化量
結果
2018年3月14日(最初の参加者のスクリーニング)から2019年7月26日(最後の参加者のスクリーニング)までに、COUGH-1では732人、COUGH-2では1317人の患者が募集された。COUGH-1は730人、COUGH-2は1314人を無作為に割付けた。
参加者の多くは女性で(75%)、平均年齢は58歳、平均咳嗽期間は11年であった。
ゲーファピキサント45mg1日2回投与は24時間の咳頻度を、COUGH-1では12週目に18.5%、COUGH-2では24週目に14.6%プラセボに対して有意に減少させた。
ゲーファピキサント15mg1日2回投与は、両試験においてプラセボに対する咳頻度の有意な減少を示さなかった。
主な有害事象は味覚障害であった。
<まとめ>
ゲーファピキサント45mg1日2回投与は、慢性咳嗽に対して咳嗽の頻度を減少させた最初の治療法である。