全身性強皮症に伴う間質性肺炎において、重要な予後予測モデルであるSADLモデルを紹介します。
背景
全身性強皮症の重要な合併症に間質性肺炎があるが、経過は様々であり、予後予測は困難である。
研究目的:死亡リスク予測モデルを構築すること。
方法
全身性強皮症に伴う間質性肺炎を2つのコホート(カリフォルニア大学サンフランシスコ校(derivation cohort)の135名の患者、メイヨークリニック(validation cohort)の90名の患者)から構築した。
この2つのコホートを用いて、死亡リスクを予測するモデルを構築し、C-indexを用いて評価した。
結果
最終的なリスク予測モデル(SADL model)には、喫煙歴、年齢、肺拡散能力(DLco)の3つの変数が含まれた。
このSADLモデルは、delivation cohort(C-index 0.88)およびvalidation cohort(C-index 0.84)において、同程度の精度を有していた。
二つのコホートを統合した結合コホート(C-index 0.82)を用いて点数化システムを作成し(7点満点)、それを用いて3年後の死亡リスクが低い(Low risk: 0-3点)、中程度(moderate risk: 4-5点)、高い(high risk: 6-7点)という分類を確認することができた。
各リスクに応じた1年、2年、3年の死亡率予測は以下の通りであった。
<まとめ>
全身性強皮症に伴う間質性肺炎において、SADLモデルは、喫煙歴、年齢、肺拡散能力(DLco)を用いた簡単な予後予測のスコアリングモデルである。