強皮症に伴う間質性肺炎の予後予測:SADLモデル

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全身性強皮症に伴う間質性肺炎において、重要な予後予測モデルであるSADLモデルを紹介します。

Morisset J, Vittinghoff E, Elicker BM, Hu X, Le S, Ryu JH, et al. Mortality Risk Prediction in Scleroderma-Related Interstitial Lung Disease: The SADL Model. Chest 2017;152:999–1007.

 

 

背景

全身性強皮症の重要な合併症に間質性肺炎があるが、経過は様々であり、予後予測は困難である。

研究目的:死亡リスク予測モデルを構築すること。

 

方法

全身性強皮症に伴う間質性肺炎を2つのコホート(カリフォルニア大学サンフランシスコ校(derivation cohort)の135名の患者、メイヨークリニック(validation cohort)の90名の患者)から構築した。

この2つのコホートを用いて、死亡リスクを予測するモデルを構築し、C-indexを用いて評価した。

 

結果

最終的なリスク予測モデル(SADL model)には、喫煙歴年齢肺拡散能力(DLco)の3つの変数が含まれた。

このSADLモデルは、delivation cohort(C-index 0.88)およびvalidation cohort(C-index 0.84)において、同程度の精度を有していた。

 

二つのコホートを統合した結合コホート(C-index 0.82)を用いて点数化システムを作成し(7点満点)、それを用いて3年後の死亡リスクが低い(Low risk: 0-3点)、中程度(moderate risk: 4-5点)、高い(high risk: 6-7点)という分類を確認することができた。

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(図. SADLモデル。文献より引用掲載)

 

各リスクに応じた1年、2年、3年の死亡率予測は以下の通りであった。

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(図. 各リスク群に応じた死亡予測。文献より引用掲載)

 

 

<まとめ>

全身性強皮症に伴う間質性肺炎において、SADLモデルは、喫煙歴、年齢、肺拡散能力(DLco)を用いた簡単な予後予測のスコアリングモデルである。

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