深層学習を用いたUIP所見の画像解析と予後(AJRCCM. 2024)

論文のタイトル: Deep Learning Classification of Usual Interstitial Pneumonia Predicts Outcomes
著者: Stephen M Humphries, et al
出版年: 2024
ジャーナル: American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine
PMID: 38207093

深層学習を用いた画像解析により、組織学的UIP所見を識別し、より正確な予後予測や進行予測が可能となるかもしれません。

概要
背景: 胸部CTは、UIPの非侵襲的診断を可能にするが、視覚的評価の限界を克服するためには画像解析の強化が必要である。
目的: multiple instance learning(MIL)を適用し、CTからUIPを予測する説明可能な深層学習アルゴリズムを開発し、独立したコホートでその性能を検証した。
方法: 合計2,143例のプールデータセットを使用してMILアルゴリズムを訓練し、先行文献からのデータ(n=127)、単一施設の臨床コホート(n=239)、および肺線維症患者のnational registry(n=979)の3つの独立した集団でテストした。組織学的UIPを基準としてROC分析を用いてUIP分類の性能をテストした。MIL予測と生存または縦断的なFVCの間の関連を調べるために、コックス比例ハザードおよび線形混合効果モデルを使用した。
主要結果: 生検データを持つ2つのコホートでは、MILは視覚的評価(AUC 0.65および0.71)と比較して、組織学的UIPの精度を向上(AUC 0.77 [n=127] および0.79 [n=239])した。
生存データを持つコホートでは、MILによるUIP分類が死亡率に有意に関連した([n=239, 2021年4月までの死亡率] 調整前ハザード比3.1 95%信頼区間[CI] [1.96, 4.91] p<0.001、および[n=979, 2022年7月までの死亡率] 3.64 95% CI [2.66, 4.97] p<0.001)。
アルゴリズムによりUIPありと分類された患者は、UIPなしと分類された患者と比較して、年間のFVC低下が大きかった(-88 ml/年 vs -45 ml/年、n=979 p<0.01、肺線維化の程度で調整)。
結論: MILを使用した評価は、CT上のUIPの臨床的に重要な特徴を識別する。このような方法は、間質性肺疾患患者の放射線学的評価における信頼性を向上させ、より早期かつ正確な診断を可能にする可能性がある。

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