ニンテダニブは52wのL-PFスコアを改善(INBUILD試験のサブ解析)(Eur Respir J. 2023)

論文のタイトル: Effects of nintedanib on symptoms in patients with progressive pulmonary fibrosis
著者: Marlies Wijsenbeek, et al
出版年: 2023
ジャーナル: European Respiratory Journal
PMID: 38135442

INBUILD試験のサブ解析の結果です。症状に関する質問票であるL-PFスコアが、ニンテダニブ群で52週間にわたり減少したことが明らかとなりました。

L-PF(living with pulmonary fibrosis)スコア:23項目の質問票で、①呼吸困難、②咳嗽、③疲労の3つの領域から構成されるスコア。0-100の範囲で、高値ほど症状が重いことを示す。

概要
肺線維症による息切れと咳は、患者の生活に深刻な影響を与える。INBUILD試験で、進行性肺線維症(PPF)患者における肺線維症の症状と影響に対するニンテダニブの効果を、L-PFアンケートを使用して調査した。患者はHRCTで10%以上の間質性肺疾患(IPF以外)があり、過去24ヶ月以内にILDの進行基準を満たしていた。患者はニンテダニブまたはプラセボを1:1でランダムに受けた。52週目までのL-PFアンケートスコアの変化は、繰り返し測定混合モデルを使用して評価された。
663人の患者が治療を受けた。
52週目で、プラセボに比べニンテダニブ群ではL-PFアンケートの総スコア(0.5対5.1)、症状スコア(1.3対5.3)、呼吸困難スコア(4.3対7.8)、疲労スコア(0.7対4.0)の増加(悪化)が有意に少なかった。
咳スコアはニンテダニブ群で減少し、プラセボ群では増加した(-1.8対4.3)。
影響スコアはニンテダニブ群でわずかに減少し、プラセボ群では増加した(-0.2対4.6)。
HRCTでUIP様の線維化パターンを持つ患者や他の線維化パターンを持つ患者でも同様の結果が観察された。

L-PFアンケートスコアの変化に基づいて、ニンテダニブはPPF患者の息切れ、疲労、咳の悪化およびILDの影響を52週間で軽減した。

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