ANCA-ILDにおけるPPF(Sci Rep.2023)

論文のタイトル: Outcomes and prognosis of progressive pulmonary fibrosis in patients with antineutrophil cytoplasmic antibody-positive interstitial lung disease
著者: Susumu Sakamoto, et al
出版年: 2023
ジャーナル: Scientific Reports
PMID: 37848575

ANCA陽性間質性肺疾患における進行性肺線維症の頻度と臨床的関連因子が報告されました。

概要
線維性間質性肺疾患の約3分の1は、特有の臨床病理学的状態である進行性肺線維症(PPF)を示し、特発性肺線維症(IPF)に類似している。しかし、ANCA陽性ILD(ANCA-ILD)におけるPPFはほとんど報告されていない。
ANCA-ILDにおけるPPFの発生率、PPFの予測因子、およびその予後への影響を明らかにするため、56名のANCA-ILD患者を2004年4月から2021年4月まで1年以上追跡調査した。PPFはATS/ERS/JRS/ALAT PPF 2022ガイドラインに基づいて定義された。38名の肺機能検査を受け、1年以上フォローアップされた患者においてPPFと非PPFを比較した。
ANCA-ILD(男性19名、女性19名;平均年齢72歳)は、顕微鏡的多発血管炎関連ILD(MPA-ILD)21名、全身性血管炎のないANCA陽性間質性肺炎(ANCA-IP)17名で構成されていた。PPFは38名中15名(39.5%)に発生し、MPA-ILD患者の27%、ANCA-IP患者の53%に見られた。PPFと非PPFの患者特性に差はなかったが、PPF患者の生存率は非PPF患者よりも有意に低かった。多変量回帰分析では、高齢、血清SP-D値高値、および基準時の%FVCの低下がPPFと関連していた。
ANCA-ILD患者の39.5%がPPFを示し、これは死亡率の増加と関連していた。PPFの予測因子は、高齢、SP-D高値、および基準時の%FVCの低下であった。

図。MPA及びANCA陽性IPにおけるPPFの頻度(文献より転載)
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